2019年4月。とにかく厳しいと噂のイスラエル、テルアビブ空港の入出国手続き。
入国も出国も、ユダヤ教の安息日(シャバット)にかぶってしまった自分の体験をまとめました。
目次
入出国の前に・・・イスラエル旅行計画時点でのうっかり
この旅行は、4月のイースター休みを利用して、イスラエルとパレスチナ自治区にあるキリスト教の聖地に行ってみようというものです。
いつものように航空券を取って、ホテルを予約して...と、手配が大体終わった後、旅行直前にあれ、これって失敗したかも?と気づいたことがありました。
- トランジット空港の乗換え時間が50分
- 入国日・出国日ともに、安息日(シャバット)
- ユダヤ教の祭日、過ぎ越しの祭(パスオーバー)の7日間にだだ被り。この祭の7日目の夕方から、Seventh day of passoverという祝日が始まり、その次の日と2日続けて安息日。旅行期間9日間のうち、安息日が3日間という事態に。
1は本当に迂闊でした。言い訳すると、最初の予約時は1時間10分の乗り換え時間があったんです。(これでも十分とは言えないけど。)そのあと、航空会社からフライトチェンジの連絡があって、気付いたら1時間切ってました。
焦り始めたのは、ネットで「テルアビブ行き航空便の搭乗時に、入国理由などを厳しくチェックされた」というのを見てから。
イスラエルはイースターの旅行先として人気の観光地。予約した便に乗れなかったら、あとの便は全部満席かもしれない・・・。そもそもイスラエルにたどり着けないのではないか、とマジで心配しました。
2と3の安息日というのは、ユダヤ教の祝日で、金曜の日没から土曜の日没まで、「労働をしてはならない」とされている日。ほぼ全ての経済がストップします。
バスなどの交通機関も運休。実際行ってみると、思ったよりもかなり厳しいレベルで安息日が守られてました。
この日程だけ、航空券がすぽっと安くなっててラッキーと思っていたら、これが理由だったのでした。みんなちゃんとわかってるんだな・・・。
入国編
トランジット50分のハードルを乗り越え、安息日にイスラエルに入国し、エルサレムへ到着するまで。
ローマのトランジットでは、保安検査なし
ひとつ目のうっかり、トランジット体験談。
乗換空港はローマのフィウミチーノでした。ここで確実にあるのがパスポートコントロール。もし保安検査、つまり手荷物検査があるとしたら、そこで厳しいチェックがあるとしたら、テルアビブ行きの飛行機に乗り遅れる可能性大です。
ってことで必死に走りました。
ラッキーなことに、ローマの空港では乗換時の手荷物検査はありませんでした!
さらにパスポートコントロールでは、日本を含む特定の国(アメリカ、カナダ、韓国イスラエル、あとオーストラリアとニュージーランド)のパスポートは自動のゲートを利用できたので、行列を横目に一瞬で通過。
日本人パスポートで良かった、と心底思いました。それから、予約時に乗換時間をちゃんと確かめよう、と猛省。
テルアビブ空港の入国手続き
イスラエルの入国手続きは厳しいらしい。ガイドブックには、滞在都市・日程やホテル名、イスラエルに友人がいるかなどを1人ずつ(同行者がいても)英語で質問される、と書かれています。
このときベツレヘムなど、パレスチナ自治区の都市名を出すと、別室に連れていかれるから注意せよ、というネット情報もありました。
実際に聞かれたのは、どのフライトで来たか、旅行目的、滞在日数だけでした。それぞれの回答はローマからのフライト。サイトシーイング。ナインデイズ。です。
そこで水色の入国許可証をもらって終了です。思ったよりあっさりしてました。
左下にはパスポートと同じ顔写真が印刷されます。ペラペラのバスチケットみたいな紙で、失くしたら大変なことになりそうなので、パスポートに慎重に挟む。
安息日、テルアビブ空港にシェルートは来なかった
テルアビブ空港に着いたのは、安息日が始まったばかりの金曜19時頃。ちなみに両替窓口は既に終了してました。(ATMは動いている)
インターネット情報では、「安息日でバスは止まるが、シェルート(乗り合いシャトル)は動いている」とのこと。
それを信じて、シェルート乗り場で30分ほど待ちましたが、一向に来ないのです。荷物を持った旅行客だけが増えていき、あきらめた人たちがタクシー乗り場に長い列を作っていく。。。
もうシェルートが来る気配がないので、タクシー乗り場の列に並ぶことにしました。
行き先をプリントする機械があったので、画面を撮影。(プリント用紙が切れていた)
じつはそのとき、たまたま出会った日本人とタクシーを同乗することになりました。それで、行き先が2つあるから、と言われ400シェケルで行ってもらいました。
出国編
安息日のエルサレムからテルアビブ空港へ行き、イスラエルを出国するまで。
安息日、テルアビブ空港までのシェルートは予約できなかった
さて、イスラエル出国日も安息日の土曜日です。ガイドブックやネットの書き込みを見ると、「安息日の前日までに、ホテルにシェルートの予約を頼もう」とのこと。
ところが、金曜日の昼頃に頼むと、土曜日はシェルートはない、と言われる。
あとで振り返ってみると、この出国日の前々日の木曜日から、Seventh day of passover(過ぎ越しの祭の7日目)という祝日が始まっていて、シェルートを頼んだ時点で、すでに「労働をしてはならない」の時間だったんです。
祝日だから、もう予約受付はしていないという意味なのか?そもそも安息日にシェルートは走らないという意味なのか?そこは判別できませんでした。
しょうがないので、タクシーを予約してもらいました。料金は300シェケル、現金のみ。
テルアビブ空港での出国手続き
続いてイスラエル出国手続きです。ガイドブックにも、ネット上にも、イスラエル出国手続きがいかに厳しいか書かれており、戦々恐々としてました。
曰く、1人ずつ英語で、行った場所・泊まったホテル・何を見たか、他にイスラムの国に行ったことがあるかなどを聞かれる、荷物は全てばらされ、内容物は下着も容赦なく見られる、イスラエル国内で買った土産物のうち、粉末、液状のものは漏れなく没収される、等々・・・。
実際のチェック関門は4つ。
1.チェックインカウンターに行く前の、空港職員によるチェック。
ここではパスポート、航空便の予約をチェック。それから前に立たされ、顔とパスポート写真をまじまじと見比べられました。夫婦二人でしたが、二人の関係も聞かれました。武器を持っているかと聞かれ、ノーと言って通過。このときパスポートの外側にバーコードシールを張られます。
2.航空会社のチェックインカウンター
普通でした。チェックインして航空券を受け取って、おしまいです。私たちは預け入れ荷物はなく、機内持ち込みの手荷物だけですが、特段中身のチェックはされませんでした。
見ていると他の乗客の預け入れスーツケースも、誰も開けられている人はいなくて、普通にベルトコンベアに乗って運ばれて行きました。あれ?荷物検査があると思ってたので拍子抜け。
3.保安検査
これも普通でした。保安検査場の入口で、先ほどパスポートに貼られたバーコードをスキャンして入場。そのあとは、いつも空港でやっているのと同じように、透明バッグに入れた100ミリリットル未満の液体、ベルト、スマホや鍵をトレイに入れて、通過。他の空港とほんとに同じレベルでした。
4.パスポートコントロール
自動化されていて、機械にパスポートをスキャンして、カメラを見たら、ピンク色の出国許可証が出て来て、通過。自動だから質問してくる人もいません。
つまり、特に何もありませんでした。最初のチェックがいちばん厳しかったかも。
どこに行ったかの質問に答えられるように、聖墳墓教会の英語の発音も調べておいたのに。(church of sepulchre、チャーチオブセパルカー)荷物を開けられても全部説明できるように、工夫してパッキングしたのに・・・。
ネット上にはすごく厳しかったという体験談がたくさんありますが、毎日毎時そういうわけではないのかもしれません。
ただ、それなりに時間はかかりました。けっこう並んだりもするので、3時間前に空港に行っていて良かったと思います。
空港内では、お土産屋さんや免税店は開いてますが、フードコートやカフェスタンドは閉まっているお店がけっこうありました。これは多分、安息日だったからだと思います。
次の記事はイスラエル国内のバス移動体験についてです。
(続く)