2019年1月。教会建築を見たくて、それからちょっと暖かいところに行きたくて、ギリシャよりもトルコよりも南にある、地中海の端っこ、キプロス島に行ってみることにしました。
目次
キプロスは歴史とリゾートの島
先史時代から文明があったと言われる、地中海の東端の小さな島、キプロス。ギリシャ神話の美の女神アフロディーテは、キプロス島の海岸で産まれたと言われているそう。
新石器時代の遺跡や、ギリシャ時代・ローマ時代の劇場跡やモザイク、ビザンツ帝国時代の古い教会も数多く残されている、見所の多そうな島国です。世界遺産に登録されているものも。
それから、キプロスは温暖な気候と美しい海岸で、リゾート地としても有名です。
北キプロスと南キプロス
キプロス島は南北で分断されています。北側はトルコに実効支配されており、トルコ文化圏です。南側はギリシャ系で、ギリシャ・EU文化圏です。
上の地図の緑色がグリーンラインと呼ばれる、国連の緩衝地帯。首都ニコシアを通り、キプロスを南北に分けています。
ガイドブック「地球の歩き方」では、ギリシャの本に南キプロス、トルコの本に北キプロスが紹介されてます。
キプロスの主な見所
四国の半分くらいの面積のキプロス島。いくつかの街を移動するのは難しいことではなさそう。代表的な街と、主な見所をピックアップ。
パフォスの遺跡とモザイク
キプロス島の南西端にある世界遺産の街。紀元前から栄えた古都で、街のいたるところに遺跡や文化財が残っています。
The Mosaics of Paphos – Paphos, Cyprus - Atlas Obscura
広大な邸宅の跡地はそのまま野外の考古学公園となっていて、ギリシャ神話をモチーフにした素晴らしい床モザイクを見ることができます。
また海岸沿いは大型リゾートホテルが並ぶ人気観光地でもあります。
アフロディーテの海岸(ペトラトゥロミウ海岸)
キプロスの南西部にあるペトラトゥロミウ海岸(Petra tou Romiou)は、海の泡から生まれた美の女神アフロディーテが流れ着いたという伝説のある場所。
近くには紀元前12世紀に建てられたというアフロディーテ神殿の遺跡もあります。
ヒロキティアの新石器時代の遺跡
紀元前7千年から4千年、新石器時代の集落の遺跡で、世界遺産に登録されています。写真は復元されたもので、こんな円筒形の住居だったらしい。
ニコシア(レフコシア)
キプロスの首都。ギリシア語ではレフコシア。ニコシアというのはイギリス統治領時代の英語名だそう。この街をグリーンラインが分断して、北キプロス(トルコ領土)と南キプロスに別れてます。
トロードス地方の教会群
トロードス山とその回りの山岳地帯に、壁画の美しいビザンティン教会が点在しています。世界遺産です。詳しくはのちほど。
アヤナパのビーチ
キプロス最大のリゾートビーチ。美しい海岸線と砂浜を持つこの街は、キプロスで最もホテル数が多いのだとか。
ラルナカの塩湖
キプロスの玄関口はラルナカ空港です。この空港の近くには塩湖があり、湖畔沿いのモスクが風光明媚。また、毎年フラミンゴが訪れるのだそう。
リマソールとクリオン遺跡
リマソール(レメソス)は、キプロス第2の都市。近くにあるクリオン古代遺跡には、ローマ時代の劇場跡のほか、床モザイクも残っているそう。
ファマグスタ
北キプロスの街です。ローマ時代の遺跡のほか、ヴェネツィア統治時代に造られた城壁や宮殿、ゴシック様式の聖ニコライ大聖堂など、たくさんの古い建物が残っています。
世界遺産・トロードス地方の教会群
リゾート感高めの島に加え、見所も多そうなキプロス。でも個人的に、ビザンティン教会がたくさん残ってるところも魅力的。世界遺産「トロードス地方の壁画聖堂群」はなかなか興味深いです。
これらの山の中の教会は、ビザンティン帝国統治下の11~12世紀ごろに建てられたもの。美しい壁画と、木造で傾斜の急な屋根を持つところが特徴です。
以下のサイトで、それぞれの世界遺産教会を詳しく解説しています。
https://mytroodos.com/category/world-heritage/unesco-heritage/
写真を見ると外見はただの山小屋みたいです。
現時点での世界遺産登録教会の数は10。それもいくつもの山間の村に散らばっていて、自力で訪問するのは容易ではなさそう。タクシーをチャーターして行ってみることにします。
キプロスのビザンティン教会
トロードス地方の教会群のほかにもある、キプロスの面白そうなビザンティン教会をピックアップ。
聖ラザロ教会
イエス・キリストが生き返らせた、聖ラザロ。のちにキプロス初代主教となったようで、この教会にラザロの墓所があります。ラルナカ市街地にあります。
パナギア・アンゲロクティストス聖堂(angelikitisti)
ラルナカ郊外のキティ(Kiti)という村にあるビザンティン教会です。アプスにモザイクが残されているそうです。
アギオス・ネオフィトス修道院
www.stneophytos.org.cy/
キプロス生まれの聖人、聖ネオフィトスが修行した洞窟に建てられた修道院。本人が修行したと言われる洞窟が残されており、内部には素晴らしい壁画が残っています。パフォス郊外のタラ(Tala)にあります。
キッコー修道院
Pedoulas - Kykkos Monastery - The Green Guide Michelin
トロードス山中にあるけれど、世界遺産ではない修道院。建物自体は新しく、博物館として公開されているようです。トロードス教会の現地ツアーを調べてみると、ほとんどのツアーにこの修道院が含まれてました。
アギア・パラスケヴィ教会
Agia Paraskevi Byzantine Church - Geroskipou village
建物自体は9世紀までさかのぼるのだそうです。内部には8世紀~15世紀までのフレスコ画で彩られています。パフォスから3.5キロ離れた街の中にあります。
主な街や観光地の位置
たくさんの魅力あるキプロス。ピックアップした街や教会の位置関係はこのような感じ。全部で6日間の日程で、これらの魅力的な街をめぐってみようと思います。
詳しい旅程や移動方法なんかは次の記事で。
(続く)
≪キプロス旅行計画≫