目次
コーカサスのアルメニアに行こう
2015年の古い旅行について、備忘録がてら書きます。
世界で一番最初にキリスト教を国教化した国・アルメニアに行くことにしました。
当時、キリスト教とそれに大真面目に研究して取り組んでいた人々についてすごく興味を持っており、特にイエスが復活して死んだ直後くらいの初期キリスト教の教義、「正統」とされる教義が決まっていく過程なんかに興味深々だったんです。
それとコーカサス地方という秘境っぽい響きにも憧れました。
この10年くらいで、アルメニアとアゼルバイジャンとのたびたびの戦争のニュースがあったり、グルジアからジョージアへの呼称変更ニュースがあったり、特にジョージアは人気力士の出身地だったことなんかもあって、コーカサス地方全体がかなり一般的になったと思います。
ですが、2014~2015年頃はジョージア大使もジョージア料理も知られてなかったし、アルメニアもアゼルバイジャンも場所とか国名も知らない人が多かったと記憶してます。
アルメニアは世界最古のキリスト教国
前述したとおり、世界で一番最初にキリスト教を国教とした国がアルメニア。
キリスト教国になったのは301年で、ローマ帝国のミラノ勅令よりも先。それ以来、ニカイア公会議やカルケドン公会議などで、いわゆる「正統」と呼ばれるオーソドックス教会やカトリック教会とは袂を分かち、1700年近くアルメニア正教という独自キリスト教を貫いています。
アルメニア教会建築はなんか独特
それからまた、カトリックの総本山・ローマから遠く離れ、正教の総本山・コンスタンティノープル(イスタンブール)よりもさらに東にあるアルメニアには、独自の教会建築様式があります。
一応ビザンティン建築カテゴリに分類されるみたいですが、ビザンティン建築・・・?と首をかしげたくなるほどの、独特な様式が魅力的。
これらの教会建築がいくつか世界遺産にも認定されているのと、世界最古のキリスト教国だけあって、「ロンギヌスの槍」「ノアの箱舟の木片」などの聖遺物が保管されていること。これを見に行くだけで、旅行先とする理由には十分すぎます。
世界遺産の教会と聖遺物を見に行こう
そんなこんなで、厨二をこじらせてしまったキリスト教好きとしては、この国にはすごく惹かれました。。。今もそうですけど。
この旅行で行った教会一覧は以下の通りです。世界遺産を中心に、限られた日数で行けるところから選んだらこうなりました。
エチミアジン大聖堂
Butcher - Echmiadzin cathedral church. October 3, 2008, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=6766459
アルメニア正教の総主教座がおかれる由緒ある教会。この教会の宝物館に、十字架のキリストを絶命させた槍、ロンギヌスの槍や、アララト山に漂着したノアの箱舟の破片なんてものが展示されてます。世界遺産です。
聖フリプシメ修道院
Em and Ernie Surp Hripsime Church https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=6770160
聖フリプシメさんという聖女にまつわる教会。7世紀(618年)の建築。世界遺産です。
聖ガヤネ修道院
Alexander Naumov - Gayane Church https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=6770036
こちらも7世紀(630年)の建築。エチミアジン大聖堂と、フリプシメ教会と聖ガヤネ教会と、もうひとつ遺跡となったズヴァルトノッツ聖堂と合わせてひとつの世界遺産に登録されています。
ハフパト修道院
丘に飲み込まれたようなこの修道院は970年代の建築。
サナヒン修道院
hans@hansdewaele.com - Sanahin Monastery
ここも廃墟。ハフパト修道院と同じ時代に建築が始まったらしい。ハフパト修道院とサナヒン修道院と合わせて世界遺産に登録されています。
ゲガルド修道院
洞窟修道院です。ロンギヌスの槍が見つかったとされる洞窟に建てられたという教会。その出自も立地もかなり痺れる、アルメニア旅行で一番楽しみな教会です。聖堂それ自体は13世紀のもの。これも世界遺産に登録されています。
タテヴ修道院
By Alexander Naumov - https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=7493866
崖の上に建つ巨大修道院というロケーションに惹かれ、首都エレバンからはけっこう遠いのですが見に行くことにしました。
以上がこの旅行で見てきた教会。主に世界遺産が中心ですが、この国には他にも素晴らしい修道院建築がたくさんあります。
SNSでarmenian monasteryとかで検索すると、僻地にある美しい教会をたくさん見ることができて眼福。。。
例えばHaghartsin、Hovhannavank、Haritchavankとか、ノラヴァンク、ホルヴィラップ、Goshavankとか、あとセヴァン湖沿いの教会とか。実物を間近で見てみたい教会がたくさんあるので、いつか再訪してアルメニア正教建築と呼ばれる教会を隅々まで見てみたい。
アルメニア滞在日程と5日間の観光ルート
1日目:夜ズヴァルトノッツ空港着 エレバン泊
2日目:エチミアジン大聖堂と近くの教会観光 エレバン泊
3日目:サナヒン修道院、ハフパト修道院観光 エレバン泊
4日目:ゴリスへ移動・タテヴ修道院観光 ゴリス泊
5日目:エレバンへ移動・ゲガルド修道院観光 エレバン泊
6日目:エレバン観光・エレバン泊
7日目:帰国便
観光時間は2~6日目の丸5日間でした。移動は全部ホテルに依頼したチャータータクシーです。
じつは元々アルメニア滞在は2~5日目までの4日間の予定で、そのあとウィーンに1泊してウィーンでカフェめぐりしようと思ってたんですよね。プリミティブな教会建築も好きだが、西欧の、洗練された王宮文化の雰囲気も味わいたい。。。と。
ところが、5日目深夜のウィーン行きの便がキャンセルになり、振替便が翌日の深夜になってしまいました。ウィーン観光の予定が丸ごとなくなりましたが、エレバンで1日余裕ができたため、結果的に5日間を観光に使いました。
観光ルート
行った教会はこんなふうにアルメニア全土に散らばってます。
中心地エレバン近郊と、北部にあるハフパト修道院・サナヒン修道院はエレバン拠点で行きます。
南東にぽつんとあるタテヴ修道院へは、エレバンからタクシーで5時間移動し、ゴリスの街に一泊。そこを拠点にタクシーとロープウェイで訪れる予定です。
ホテル
エレバンはこちら。
タテヴ修道院へ行くための最寄り街となるゴリスでは、こちら。
飛行機のキャンセルで、航空会社が手配してくれたエレバンの宿泊ホテルがこちらです。
(続く)
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≪アルメニア旅行記≫