アルメニアのゲガルド修道院は土着感がすごくてかっこいいです。
目次
アルメニア旅行の4日目午後です。午前中にゴリスからエレバンに移動し、再びエレバン近郊の世界遺産、ゲガルド修道院とガルニ神殿を見に行きました。
ガルニ神殿
まずガルニ神殿に到着。
ここは「世界で最も東にあるギリシア・ローマ建築」と呼ばれているらしいです。
実物見たときは、西ヨーロッパで多く見られるギリシア・ローマ建築リバイバルスタイルのものかと思いました。わりと近年に建築された建物なんじゃないかと。実際、こういうスタイルの新しい建築物は西ヨーロッパでよく見かけますしね。。。
ところがこれはアルメニアがキリスト教を取り入れる前の、紀元前1世紀頃の建築だというのです。すごい。ヘレニズムな感じです。
建材は大理石が手に入らなかったためか、なんか地味な色の石でした。
ウィキペディアで見てみたら素材は玄武岩(basalt)だった。
床にうっすらモザイクの痕跡を発見。
これも紀元前からのものなんでしょうか。アルメニア建築でこういうヘレニズム感の建物が他にないので、珍しい感じがします。
景色も良かった。
ゲガルド修道院
もともと4世紀には修道院があったようですが、その後何度かイスラム勢力に壊され、今の建物は12世紀のものらしいです。キリストを十字架上で傷つけたロンギヌスの槍が発見されたところとして有名。
ゲガルド修道院への参道は、いろんな屋台が出ていて楽しいです。
ゲガルド修道院はこの時の旅行で一番印象に残っています。見た目や空間が醸し出す力強さ、にじみ出る土着宗教感。訴えかける謎の主張がありました。
外観がめちゃくちゃかっこいい
まず目に飛び込んでくるのが、バックの荒々しい岩山と教会の建物と、きれいに整備された広場です。
見てください、この端正な建造物の美しさ。
角ばった石と尖ったドームの尖塔が魅せる直線。そこに迫る岩山の自然のアンバランスさ。
これを見て以来「岩山と融合した教会建築」は好きな教会建築ジャンルの一つになってます。
広場も崖の上にあって、崖際に彫られているハチュカル群もかっこよい。
建物装飾もよく見ると変わっています。
ドアの上部にニワトリ、壁の上部に謎の牛デザイン。
・・・これは一体何を表したシンボルなのでしょう。
(後ほどウィキペディアで調べてみると、この修道院を建て直した王子の力の象徴、ということらしいです)
ここはロンギヌスの槍が見つかった修道院なので、木製のドアはロンギヌスの槍デザイン。
これは先日エチミアジン大聖堂で見てきたのと同じデザインです。なるほどこういう感じの槍であった、と。
中が怪しくてかっこいい
中です。広い。
短めの柱、巨大なアーチの空間。ハフパト修道院・サナヒン修道院と同じような土着デザインです。
天井には、イスラム建築のムカルナス(鍾乳石)天井そのものの装飾。
キューポラ内部の細かい装飾。
それからこれも謎の動物彫刻。
全くキリスト教と関係なさそうな動物。これも後ほどのウィキペディア調べによると、先ほどの王子の紋章なのではないか、とのことですが、とにかく初見では土着の神を祀る神殿にしか見えません。
王冠をかぶったニワトリのようなもの。
崖と一体化している立地、内部の薄暗い感じ、拙い動物彫刻。空間は大きいはずなのに、太く短い柱と巨大な半円アーチのおかげで演出される圧迫感。
ほかの教会観光ではなかなか感じたことのない空気をたっぷり味わえました。
大満足のゲガルド修道院でした。ここは本当に来て良かったです。
夕方のエレバン
戻ってきて、夕方のエレバンの様子。都会です。
本来ならこの日でアルメニア旅行は終わりだったのですが、もう1日続きます。
(続く)
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