クリスマス前の時期に行った、ウンブリア州の都市スポレートとオルヴィエートの旅行記です。最終日はオルヴィエートの大聖堂や古い教会を観光。
目次
- オルヴィエートに到着
- ディナー:La Paromba
- 雲海が見える!天空の城感が半端ない
- サン・ジョヴェナーレ教会
- その他の教会など
- オルヴィエートの大聖堂
- 国立考古学博物館
- ランチ:Antico Bucchero
- オルヴィエート観光終了
オルヴィエートに到着
19時半頃、オルヴィエートに到着です。
オルヴィエート名物のケーブルカー。崖の上に着いたら、タイミングよくドゥオーモ広場行きのバスが待機してたので、それに乗って市街地まで行きました。ケーブルカーと同じ切符を見せれば乗れます。
夜ライトアップされている、オルヴィエートのドゥオーモ。
ホテルはここから歩いてすぐの、レプブリカ広場の奥。
歩いてどこにでも行けて便利でした!
ディナー:La Paromba
ホテルにチェックインしたのが20時過ぎ。まだイタリア人の夕食時間帯です。日曜なので閉まっているお店も多いかと思い、ホテルの近くにあるレストランをグーグルマップで検索。
そしたら、日本人に人気の有名なレストラン「La Paromba」がホテルのすぐ近くでした。しかも日曜も開いているし、閉店時間も22時と余裕があります。(他のレストランは21時半閉店などが多かった。)
ということで早速入店。席は8割がた埋まってましたが、座れました。
ウンブリケッリという手打ち太麺パスタと、セコンドにトリュフオムレツと鳩の赤ワインソース。ウンブリケッリはうどんぐらいの太さ。イタリアのロングパスタに関する過去記事で、スポレートのストランゴッツィと同じ種類みたいにまとめちゃったけど、これ、トスカーナのピチという太麺そっくりです。
オルヴィエートは白ワインがおいしいとガイドブックに書いてあったので、ハーフボトルで頼んでみました。飲みやすくて美味しい。
パスタもセコンドも美味しいし、サービスが暖かくて、居心地が良かったです。日本人に人気というのも納得のお店でした。
雲海が見える!天空の城感が半端ない
オルヴィエートの朝。この日は月曜なので、ほとんどの美術館・博物館がクローズしているので、お目当ての教会をゆっくり観光する予定です。14時台の鉄道でローマへ戻るので、午前中から活動開始。
オルヴィエートの街並み。昨日までいたスポレートとはやっぱり、微妙に雰囲気が異なります。オルヴィエートの方が都会っぽいかな。
ホテルから近かった、カーヴァの井戸。月曜休みです。この蓋付きのが井戸?
古いフレスコ画がたくさんあるというサン・ジョヴェナーレ教会を目指して歩きます。
入口っぽいものは発見しましたが、正面ファサードを見たかったのでぐるっと回り込んでみると。
すごーい!!
どれだけ高いところにいるのか?天空の城感、半端ないです!真っ白。
雲のかかってないところの景色も、普通に見栄えが良い・・・
雲海から顔を出す孤高の家。
しばらく非現実感を堪能しました。
サン・ジョヴェナーレ教会
雲海を見下ろすように建つ教会。
内部の壁には古いフレスコ画が残っています。
絵のタッチが様々なので、いろんなアーティストが様々な年代に描いたものだと思います。味があって面白い。
最後の晩餐。
キリストが枠の向こう側から身を乗り出して説教をしている・・・ちょっと漫画的な描き方が面白い。
磔にされるキリストと、嘆くマリアの顔アップ。
古いフレスコ画をじっくり鑑賞できる、おすすめ教会です。
その他の教会など
サン・ジョヴェナーレ教会を出てから、大聖堂までの道までに見た教会や宮殿いろいろです。
サンタゴスティーノ教会
内部は教会ではなく、彫刻が置いてあるそうですが・・・月曜で閉まってました。
サンタンドレア教会
隣の塔が文句なしにかっこよい教会。
地下にエトルリア時代だか、ローマ時代だかの遺構があるらしいのですが・・・それっぽい階段や入口を見つけられず。もしかして有料だったのかな。
天井の丸窓から差し込む太陽がスポットライトみたいになってました。
ポポロ広場のポポロ宮
どっしりとカッコいい宮殿。ポポロ宮殿をグーグルマップで見ると、英訳されてPeople Palaceという、なんか公民館みたいな名称になってます。日本語に訳すと「人民宮殿」かな。
サンタンジェロ教会
正面のメダイヨンっぽい装飾が可愛いです。入ってみたらすごく白い、新しい教会でした。
オルヴィエートの大聖堂
オルヴィエートの大聖堂に来ました。大きい!
正面ファサードと、下の方の両脇にあるレリーフ。旧約聖書と、最後の審判です。
内部です。
主祭壇と、コルポラーレ礼拝堂。
サン・ブリツィオ礼拝堂
ルカ・シニョレッリの壁画で覆われたサン・ブリツィオ礼拝堂は、主祭壇の右横にありました。
四方の壁と天井が、これでもかっていう数の人間の肉体で覆われています・・・
裸体&裸体。肉&肉!!
思わず溜息の出る色彩、そして裸体尽くし。
描かれているテーマは「世界の終わり」で、最後の審判、天国、地獄、死者の復活、そして偽キリストのシーンです。
個人的に「死者の復活」は、ひとっ風呂浴びた後みたいな清々しさがあって好きです。裸だし。
シニョレッリの偽キリスト
美術史の本を読んで、ルカ・シニョレッリが描いた「偽キリスト」がサヴォナローラであるという考察が面白くて、今回の旅行はそれを肉眼で確かめにきたもの。
「偽キリスト」というのは他ではあまり描かれないシーンなのだそう。なんでそれをわざわざ選んだのか、それを理解するための背景がいくつか挙げられています。
- 作者のルカ・シニョレッリはフィレンツェのメディチ家の保護の下にあった作家であり、作者自身もロレンツォ・ディ・メディチに忠誠の念を抱いていた。
- オルヴィエートはローマ教皇直轄の要塞都市であり、当時の法皇アレキサンデル6世に最後まで忠実だった。
- 当時、一時的にフィレンツェを支配していたサヴォナローラが、その熱弁で手ひどく攻撃していたのが、ロレンツォ・ディ・メディチと法皇アレキサンデル6世だった。
- サン・ブリツィオ礼拝堂は、サヴォナローラが異端として火刑に処された翌年から始まった。
シニョレッリにとって、サヴォナローラはメディチ家と法皇の共通の敵だったという見解です。サヴォナローラの記憶もまだ生々しい時期に、偽キリストをサヴォナローラの諷刺として描いたものだということです。
後ろから悪魔にささやかれ、それを衆人に説教しているのが偽キリスト。サヴォナローラが語っていたのは神ではなく、悪魔の声だった、と言いたいのでしょう。
右手前の偽キリストの台座の前には、積み上げられるコインや何か器具類。その左にはユダヤ人の高利貸しからお金を取り上げる人物。サヴォナローラは人々に「富をすベて放棄し、神にささげよ」と言ったらしいので、それを描いたものです。
また、腰に手を当てて人々を監視するかのようなタイツ姿の男性がいます。
これと同じ服装の人物が複数出てきますが、これもサヴォナローラが行っていたことを皮肉っているのだそう。
実際、サヴォナローラは自分の腹心の部下たちを街に放ち、フィレンツェ住民を監視させ、罪人を取り立てたりしてたらしい。
でもちゃんと画面左上のほうで、偽キリストの最後が描かれています。天使に打たれて頭から地上に落ちるさまが描かれています。
へえ~っていう感じ。シニョレッリもきっとこれを描いたときが、一番テンション上がったに違いない。
国立考古学博物館
お昼までまだ時間があったので、大聖堂の後ろにあった博物館に入ってみました。
ドゥオモ付属美術館やほかの美術館・博物館は、月曜ということで軒並み閉まってますが、ここは開いてました。
オルヴィエートはエトルリア時代の遺跡とか地下洞窟とかがたくさんあるので、冬ではなく夏の天気の良い日に、涼しい地下探検とかやったら楽しそう、と思います。
ランチ:Antico Bucchero
ランチ場所を探してうろうろしてた時、12時ちょうどくらいでも開店していたお店です。なかなか美味しいお店でした。
オルヴィエート観光終了
これでスポレートとオルヴィエート旅行は終了です。
フニコラーレの駅の隣に要塞跡地みたいな公園がありました。
やっぱ高いところの街。ジョギングしている人とかいました。
オルヴィエートの駅の看板。「O」の中に謎の顔シールが貼られてました。
スポレートもオルヴィエートもすごく楽しい、街歩きしがいのある街でした。オルヴィエートはもうちょっとあったかい季節に来てみたかったかな。2泊3日で両方見れて、充実の旅行でした。
≪スポレートとオルヴィエート旅行計画≫
≪スポレートとオルヴィエート旅行記≫