【パルマ旅行記】芸術と美食の街、パルマ。美味しいものも見どころも堪能する日帰り街歩き
2018年1月。パルマ、モデナ、フェラーラ旅行記です。ボローニャからマントヴァに寄ってモデナに宿泊した次の日は、パルマ日帰り観光。
目次
- パルマ国立絵画館
- ファルネーゼ劇場
- サン・パオロの部屋→午後からのオープンに。
- パルマ大聖堂
- サン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタ教会
- 洗礼堂
- 街並みとマドンナ・デッラ・ステッカータ教会
- パルマ食材を食べよう
- サン・パオロの部屋
- ロンバルディ美術館
- トスカニーニの生家博物館
パルマ国立絵画館
パルマ日帰り観光、まずは国立絵画館からスタート。駅から15分くらいのピロッタ宮の中にあります。
午前中しか開いていない(2018年1月時点)ので、朝8:30のオープンに合わせて、パルマ駅から歩いて来ました。
朝一の絵画鑑賞。早速チケットを買って、入館です。
大広間みたいな空間には、18世紀っぽい絵画がずらっと並びます。奥のほうには肖像画も並んでいます。
ここから、狭い小部屋に続きます。この絵画館はかなり入り組んでいて、複雑でした。もしかして改装中だったのかもしれません。
この美術館の目玉は、パルミジャニーノのトルコの女奴隷という作品。目がキラキラ~。奴隷っていうより天真爛漫な庶民の娘っぽい。
パルミジャニーノの作品には、他にこのようなものも。
ほか、コレッジョの作品もけっこうありました。
聖母子像などの並ぶ部屋。
シエナ派っぽい聖人像、聖母子像。
頭に斧の刺さっている、殉教者ペトロ、またはヴェローナの聖ペトロ。
このひとの生涯が大きなパネルになったものがありました。本人の絵はよく見かけるけど、この聖人の生涯を描いたものは初めて見たので、少し嬉しい。
絵だけではどういう場面なのかさっぱりですが、一番右端は最後、殺されるところ。
こちらは作者不明の15世紀のもの。中世の庶民の服装とかかばんとか、入れ物とかの形が気になります。そして、全ての絵の右上にキリストらしき姿が見えるのです。
何か説教っぽい意味がありそう。こういうことをするべし、みたいな絵なのかな。意味はわからないけど、面白いです。
そして、パルマ公国を治めていたパルマ公爵、ファルネーゼ一族シリーズ。こちらはラヌッチョ二世・ファルネーゼ。
胸像は手前からラヌッチョ二世・ファルネーゼ、フランチェスコファルネーゼ。右の絵は何かの絵の中に描かれた肖像画の中のファルネーゼ。
どのファルネーゼも、すごく強そうな・・・印象的な顔でいらっしゃる。
小さい美術館かと思いきや、どんどん新しい部屋がでてきて、作品数も多く、楽しめました。
ファルネーゼ劇場
同じピロッタ宮の内部にある劇場です。
この客席とステージ、全部木造です。
木目が美しいです。木造というと和風を思い出すけれど、西洋の石造建築の装飾と同じ形を作っているところが、不思議と新鮮です。
これは後ろの絵はだまし絵風のフレスコ。
素敵な劇場でした。
暖房が効いていないので、ほぼ外気温と同じ。
これでピロッタ宮内の観光は終了。出たときと反対側から出てみました。
ピロッタ宮、後ろ側。建物がもぎ取られたように半分崩れたままになってました。第二次大戦時に爆撃されてこうなったらしいです。
サン・パオロの部屋→午後からのオープンに。
朝、目が覚め始めたパルマの街。
少し歩いたところに、サン・パオロの部屋があります。
事前に調べた情報では午前中のみのオープンだったのに、行ってみると閉まってる。午前から午後に、オープン時間が変わってました。
こういうことがあるんです。この建物の前では、時計を見ながらうろうろしている同じような観光客が数人いました・・・。
計画を変更して、大聖堂を見に行くことにしました。
パルマ大聖堂
パルマ大聖堂と洗礼堂です。時間帯のせいで思いっきり逆光の瞬間を捉えてしまいました。
内部は華やかです。
身廊と側廊を仕切るアーチ上部に、一面にフレスコ画がありました。
その中で見つけた、キリストの洗礼。
クーポラ内部はコレッジョによるもの。
聖母被昇天だそうです。
その他、大聖堂内で見つけた面白フレスコ画シリーズ。
テーマのよくわからない絵です。中央の黒い悪魔の飛び出しっぷりが、エッシャーのだまし絵なみに凄いことに。拡大してみると天狗にも似てます。
これは戦争か何かの場面でしょうか。
地獄、または拷問っぽい絵。
燃える火の上に縛られて座らされている人が、気になる!
あと、これはガイドブックに解説があったので撮ってみました。アンテラミの十字架降下。
サン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタ教会
まだまだ逆光の時間帯です。
落ち着いた配色、しかしゴージャス。クーポラ内にコレッジョの作品がありますが、上手いこと写真が撮れませんでした。冷え切ってたのでそうそうに退散。
洗礼堂
写真では逆光が強すぎてよくわからないけれど、この建物はほんのりバラ色のすごく素敵な色の建物なんです。
ここの入場は有料です。大聖堂の左側にあるブックショップでチケットを購入しました。
入口上部の彫刻。
内部はフレスコ画で彩られています。天井から放射状にのびる柱?の線が印象的です。
この建物内部に描かれているフレスコ画、どうも描いた人や年代がバラバラなようで、いろいろな筆致のキリストが見られて面白いです。中でも、洗礼の図はこの建物のテーマとあって、豊富にありました。
まずはこれ。キリストの顔が正面を向いているのが良いです。
キリストの真顔拡大。
次にこれ。聖人の頭の環の感じが、中世っぽい。
次に、こちら。
ちなみにこれと同じタッチでこのような洗礼の図もありました。
これ、左側はヨハネだし、洗礼ですよね・・・?一つの洗礼槽に3人も浸かっています。お風呂かって感じ。
そして最後にこれです。
洗礼堂なので中央には大きな洗礼槽もありました。
こういうロマネスクな彫刻も面白いです。
街並みとマドンナ・デッラ・ステッカータ教会
昼までにまだ時間があったので、マドンナ・デッラ・ステッカータ教会を目指します。パルマの街並みはクリーム色とか、暖色系の建物が多くて明るい雰囲気です。
細い道も素敵。
ランプシェード?通り。
マドンナ・デッラ・ステッカータ教会に入った時は、昼休みに入る3分前くらい。入ったと思ったら電気を消され、「3時にオープンします」と告げられてしまいました。
この教会のすぐ裏手の広場に、パルミジャニーノの彫像がありました。
その台座の方。女性の口から水が出ている。
鳩がけっこうな勢いで水浴びしてました。寒くないのかしら。
パルマ食材を食べよう
ランチです。ドゥオモ広場の一角にある、好立地のレストランで、パルマの美味しいものを堪能することにしました。
Ristorante Angiol D'Or
ランブルスコという微発砲の赤ワイン。飲み口が軽くて美味しかったです。発泡性の赤ワインを飲んだのが初めてだったので、一口目はけっこう驚きでした。あと、これリーズナブルです。1本7ユーロか8ユーロ。いいとこのレストランのグラスの値段ですよ。
クラテッロとパルミジャーノ・レッジャーノ36カ月熟成。この2皿がすごく記憶に残ってます、美味しくて。
揚げパンみたいなふわふわのパン。
その他、パスタとデザート。
すごくお腹いっぱいになりました。13時には満席になる人気レストランでした。
サン・パオロの部屋
午前中閉まっていたサン・パオロの部屋に行きました。かつての女子修道院の修道院長の部屋なのだそうです。入ったところ。
それから、この部屋を使っていたところを描いた絵がありました。
天井の模様で、それと分かります。手前に座っているのがこの部屋の主である修道院長でしょうか。
次の部屋です。すごい天井。
天井下の半円形のところに描かれた絵が面白いです。
次の部屋、ここがメインです。
色あせない美しい天井。修道院長の部屋、天井だけは豪華です。
天井と壁の境目あたりの、大理石彫刻を模したっぽい絵がまた素敵。
そして、楕円形の窓から覗く天使たちが楽し気です。耳にむかって笛を吹く嫌がらせをしたり、獲物?を抱えてカメラ目線だったり。
すごく素敵な部屋でした。
ロンバルディ美術館
ここは内部の写真撮影が禁止でした。ナポレオンの妻で、パルマ公国をあてがわれたマリア・ルイーザ。彼女のドレスや手紙や生活の周りのものコレクションです。釣り道具や刺繍セットなど、ぐっとくる展示物がたくさんありました。
トスカニーニの生家博物館
ドゥカーレ宮殿(今は警察の建物)のある公園を抜けて、トスカニーニの生家博物館に行ってみました。
当時のスカラ座のパンフレット。トスカニーニの名前がどーんと出ています。
顔写真。
持ち物や、オペラ小道具や衣装なんかも展示されていて、なかなか興味深いです。
当時の新聞記事などの切り抜きもあったりしました。さすが、フルトヴェングラーと2大指揮者と言われた有名人。
館内にはオペラのBGMが流れていました。
朝からたっぷり観光してきて、これで16時頃。さすがに少しくたびれました・・・。ここでパルマの美食・芸術めぐりは終了。
もう少し余裕があれば、良い感じの食料品店をめぐって、ハムやチーズやワインを買い漁る・・・というのもやってみたかった。
この後、ホテルのあるモデナに戻ります。
(続く)
- 芸術と美食の街、パルマ。美味しいものも見どころも堪能する日帰り街歩き ⇐今ココ
- モデナのエステンセ美術館、ロマネスク彫刻の大聖堂を観光
- 修復中、あるいは修復前夜のフェラーラ。世界遺産のルネッサンスの街を観光・街歩き
- 番外編:マントヴァのドゥカーレ宮殿リベンジ
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