超個人的★ヨーロッパ旅行のHow To

ヨーロッパに住んでいる旅行好きです。バックパッカー、キャンプ、ユースやドミトリー泊などはしません・・・。公共交通機関(やタクシー)ばかり利用してきた、これまでの個人旅行記録と旅のHow To。

【アルタとカストリア旅行記】4:カストリアはビザンティン教会の街。個性派揃いの教会めぐりツアー

アルタとカストリア旅行記、4日目はこの旅行の本命、カストリアのビザンティン教会ツアーです。

 

目次

 

 

カストリアのビザンティン教会群

カストリアには60以上のビザンティン、ポストビザンティンの教会が散らばっています。外を見るのは自由ですが、中を見るには鍵を持ったビザンティン博物館の係員に案内してもらう必要があります。

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ということで開館時間にビザンティン博物館に来ました。

中はこんな感じ。イコンの展示が主です。

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見終わったあと、チケットデスクに、ビザンティン教会を見たいことと、前日にアパートメントのオーナーから聞いた名前の人がいないか聞いてみました。その名前の男性は不在で、別の学芸員(たぶん・・・)の男性が案内してくれることになりました。案内できる人は何人かいるみたいです。

挨拶を済ませたあと、自分は全部は英語では説明できないと前置きがありましたが、別にこっちも英語ネイティブじゃないので無問題です。

この学芸員さんに見たい教会をピックアップしたメモを見せると、この6つね、オーケーオーケー、という感じでツアーが出発しました。

 

パナギア・クーベリディキ聖堂

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まず一つ目。博物館のすぐ近くの広場にありました。

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クーベリディキというのは、この教会の特徴的なドラム型のドームのことを指すようです。トルコ語でドラムのことをクーベということから、この名前になったらしい。

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正面の外壁にもフレスコ画がありました。

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中です!

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古いフレスコ画が残っていました。

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そして天井に印象的な図を発見。三位一体を表したものらしい。キリストが赤子のようです。

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事前に読んだ本によると、東方教会では三位一体の絵って珍しいんだそうです。西側との交流がさかんになったとき、影響を受けたのではないかとのこと。

確かに他では見たことない。色もきれいだし、すごく印象的でした。

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アギオス・ニコラオス・カスニツィ聖堂

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次は数分歩いたところにある、アギオス・ニコラオス・カスニツィ聖堂。ドームなしの小さな教会です。

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学芸員さんが、教会を献上しているのがカスニツィだと教えてくれました。地元の貴族の名前だそうです。

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お金を持っている個人が小さな教会を建てるというのが、ビザンティン教会ではよくあるそうです。

入口から見たところ。写真を撮るために身を引いてくれた学芸員さん。

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この後ろ、入り口の内壁にフレスコ画がのこっていました。聖母マリアの死のシーンが印象的です。

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タクシアルヒス聖堂

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TAXIARCHIS、とは「秩序の長」という意味で、大天使ミカエルにささげられた聖堂なのだそうです。

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シリカ型で、入り口は横にありました。

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ここも外壁にフレスコ画があります。

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これが大天使ミカエル。勇ましいです。

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中です。

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フレスコ画はこのような感じ。こちらも聖母マリアの死のシーンが目立つところにありました。

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側廊部分から見たところ。

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アギオス・アタナシオス・ムザキ聖堂

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次はムザキ聖堂です。壁がセメントで塗り固めたみたいになっていて、言われないと教会だとはわからないかもしれない。

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ムザキというのはアルバニア人の名前で、トルコ支配時代とセルビア支配時代の間の一時期、カストリアを治めていた一族だそうです。

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ここは建物の外観に反して、フレスコ画の素晴らしい聖堂でした。

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入口内側の壁です。

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後光が宝石のカットみたいに反射しているキリスト。

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14世紀末のフレスコ画だそうです。

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細かいところも面白くて見飽きないフレスコでした。表情も良いです。

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キリストの洗礼。ヨルダン川の水流が激しそう。

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アギオス・ステファノス聖堂

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次はアギオス・ステファノス聖堂です。

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ここはこれまでの聖堂に比べると比較的大きいです。入口のある角度から見たところ。

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中です。主身廊の天井に、目立つフレスコ画がありました。本によると、幼年、老人、壮年のキリストを描いたものらしい。これも他では見たことないテーマです。

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この天井はすごく高いです。壁を見上げたところ。天井にちょっと見えている頭が、先ほどの天井画の、幼年のキリスト。

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この教会にはロフトがありました。手すりも何もない狭い階段です。登ってみると良いよ、足元は気をつけて、と学芸員さん。

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登ったところ。学芸員さんによると、ここは女性の席なんだそうです。えー何それユダヤ教みたい。

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ロフトの小窓からは、高いところのフレスコ画がよく見えます。主祭壇は遠い。

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小窓の内側には厳格な顔をした聖母マリア。すごい、厳しそう。

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ここはロフト構造とか、3世代のキリストとか、他では見たことのないものが見られて、とても満足度の高い教会でした。

 

アギイ・アナルギリ聖堂

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最後の教会、アギイ・アナルギリ聖堂です。

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ここも入口にフレスコ。

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中です!なかなか広くて見ごたえのある教会でした。

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ナルテックスの壁の馬(ペガサス?)がなんか可愛かったです。

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学芸員さんが、壁の剥がれたところを教えてくれました。フレスコ画の上から新しい壁が塗られて、さらにフレスコで装飾されているところ。2回上塗りされているようです。

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マリア様にこの教会をささげる寄進者の姿。光が少なくてあんまり写真がきれいじゃないですが、ひげを生やした男性ぽい。

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そしてその後ろは妻でしょうか・・・この人の表情ははっきり分かって、なんか面白かった。

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内部を他の角度から見たところ。

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この絵がすごくきれいでした。やっぱこう、マリアとかキリストの死のシーンは民衆に人気なのかなと思います。嘆く顔もいろいろな教会で表情豊かで面白い。

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窓の下、ペンテコステかな。

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これで6軒のビザンティン教会めぐりは終了。学芸員の男性にお礼を言って、別れました。すごく面白かったです!大満足。

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この後湖沿いをぐるっと回って、パナギア・マヴリオティッサ修道院を目指します。 

 

参考:実際に行ってみた教会訪問マップ。

参考にしたサイト。

www.bmk.gr

参考にした本。

 

 

(続く)

≪アルタとカストリア旅行計画≫

  1. ギリシャ北西部の街へ、ビザンティン教会建築を見に行く 
  2. ギリシャの教会めぐりの旅・アルタとカストリア。行き方と観光ルート 

≪アルタとカストリア旅行記

  1. 四角い!アルタのパナギア・パリゴリティッサ修道院 
  2. アルタ続き。アギア・テオドラ教会とアルタの街 
  3. ちょっとだけイオアニナ、そして風光明媚なカストリアへ 
  4. カストリアはビザンティン教会の街。個性派揃いの教会めぐりツアー ⇐今ココ
  5. カストリア続き。パナギア・マヴリオティッサ修道院とカラフルなファー使いが素敵な邸宅博物館を訪問