超個人的★ヨーロッパ旅行のHow To

ヨーロッパに住んでいる旅行好きです。バックパッカー、キャンプ、ユースやドミトリー泊などはしません・・・。公共交通機関(やタクシー)ばかり利用してきた、これまでの個人旅行記録と旅のHow To。

【レカナーティ旅行記】アンコーナ経由。ロレンツォ・ロットの絵を見に、丘の上の城壁の街レカナーティへ行く

ピエロ・デッラ・フランチェスカとロレンツォ・ロットの絵画を見に、ウルビーノ→レカナーティ→ロレート→アンコーナボローニャを経由して最後にアレッツォに行く旅行。ウルビーノを出て、アンコーナからレカナーティにいったときの記録です。

目次

 

 

アンコーナ駅でランチ

ペーザロから電車に乗って30分。アンコーナ駅に到着です。

f:id:tabikichi:20190123195136j:plain

ここからバスや電車に乗り換えたりするためか、人が多い駅でした。

駅で旅行客が多いと、こっちも釣られてテンションが上がります。

f:id:tabikichi:20190123195228j:plain

アンコーナ駅に着いたのが12:30、レカナーティ行きバスの出発時刻が14:20。この時間を使って、アンコーナ駅周辺でランチを取ります。

駅前の道路を渡ったところにあったレストラン。トリップアドバイザーで評価が高かったので行ってみました。

f:id:tabikichi:20190123200010j:plain

メニューはなく、お店の人が口頭で説明してくれます。

f:id:tabikichi:20190123200300j:plain
f:id:tabikichi:20190123200304j:plain

雰囲気の良い店内と、あっさりしててすごく美味しかった白身魚のパスタ。あっつい日に食べるパスタとしては完璧でした。ここ美味しかったです。また行きたい。

 

アンコーナ駅発、レカナーティ行きのバス

f:id:tabikichi:20190123200514j:plain

レカナーティやロレート方面に行くバスは、Extraurbane(郊外路線)になります。乗り場は駅前。南行き(dirette a SUD)の青い看板が目印。

f:id:tabikichi:20190123200644j:plain
f:id:tabikichi:20190123200647j:plain

この「R」というラインに乗ります。レカナーティは終点。

バスの切符は駅構内にあるタバッキで買います。(駅の窓口に行っても、鉄道の切符しか売ってません。)

f:id:tabikichi:20190123200809j:plain
f:id:tabikichi:20190123200813j:plain


レカナーティは細長い街

f:id:tabikichi:20190123203020j:plain

到着。レカナーティは一本の道の周りだけ城壁で囲ったような、ほんとに小さな丘の上の街でした。

f:id:tabikichi:20190123204617j:plain

赤いのが城壁内部分。細い!

f:id:tabikichi:20190123204645j:plain

ジャコモ・レオパルディっていう詩人が、この街の出身だそうで・・・街全体がレオパルディ推しです。

建物の隙間から見える階段。道路と、住宅街と、丘陵地と、そしてうっすら見えるのがアドリア海です。

f:id:tabikichi:20190123204904j:plain

海から近い街でも、平地の住宅街に住んでると、日常的に海って見えないですよね。丘の上の街だと、こういうところから海が見える。こんなの贅沢じゃないですかー。

ホテルは細長い街の端っこの方です。

f:id:tabikichi:20190123205428j:plain
f:id:tabikichi:20190123205452j:plain

美術館に徒歩3分!端っこと言ってもすごく小さい街なのでどこにでも行けます。

www.booking.com

 

市立美術館で待望のロレンツォ・ロット

ホテルの隣にある市立美術館。近いです。

f:id:tabikichi:20190124030634j:plain

入口付近に、ジャコモ・レオパルディの死の床とかいう絵画がありました。

f:id:tabikichi:20190124030818j:plain
f:id:tabikichi:20190124030820j:plain

ホテルでもらった地図にも、でかでかと「ジャコモ・レオパルディの家」というのが掲載されてました。

ロレンツォ・ロットの作品のある部屋です。

f:id:tabikichi:20190124030925j:plain

キリストの変容。

f:id:tabikichi:20190124030947j:plain
f:id:tabikichi:20190124030944j:plain

f:id:tabikichi:20190124031006j:plain

このキリストの顔、とてもロットっぽい。

f:id:tabikichi:20190124031037j:plain

ドメニコ教会の祭壇画。奥行きがあってカラフルで明るい。

f:id:tabikichi:20190124031058j:plain

この祭壇画では、聖人の顔がやたらと人間っぽいです。

f:id:tabikichi:20190124031101j:plain

二重顎とかね。

そして、受胎告知。けっこう大きな作品でした。

f:id:tabikichi:20190124031248j:plain

何度見ても、何事?!って感じの絵です。

他の画家の受胎告知でよく表現されている、厳粛さとか祝福の雰囲気とか、神の子を身ごもることのありがたさ、奇跡、よろこび、そういうのがないんです。

教会の祭壇に好んで飾られる絵ではないですよね。

f:id:tabikichi:20190124031352j:plain

驚いて逃げようとするマリア。

f:id:tabikichi:20190124031413j:plain

びっくりする猫。

f:id:tabikichi:20190124031857j:plain

ちょっと筋肉質の大天使ガブリエル、無表情で颯爽と登場。

f:id:tabikichi:20190124031954j:plain

神もいるよ。この両手を合わせたポーズ。身ごもったのはそこのお前!みたいな。

見れば見るほど宗教画とはかけ離れていて、受胎告知っぽくない絵です。そして、魅力的な絵です。

「普通に生きてきた人間が受胎告知を受けたら、こんな感じ」というタイトルをつけたい。

これを見るためにレカナーティまで来る価値、あると思います。

 

レカナーティの街並み

f:id:tabikichi:20190124082440j:plain
f:id:tabikichi:20190124082443j:plain

レカナーティで見るべきものを見た後は、小さい街を歩いてみました。

f:id:tabikichi:20190124082523j:plain

細長い街にある一本のメイン道路がこちら。

f:id:tabikichi:20190124083135j:plain

サンドイッチの屋台が出てました。

この日は、市庁舎広場でイタリア人の歌手がライブをするとかで入場制限されており、これより先には行けませんでした。

途中に開いていた教会です。

f:id:tabikichi:20190124083159j:plain
f:id:tabikichi:20190124083322j:plain

あとでわかったのですが、翌日行く予定のロレートの聖なる家の祭壇のミニチュアが置いてある教会でした。

この聖母子像もロレートの聖母のコピーみたい。

f:id:tabikichi:20190124083630j:plain

f:id:tabikichi:20190124083700j:plain
f:id:tabikichi:20190124083704j:plain

ナザレの聖なる家の石。とかいうのもありました。

夜は簡単にケバブ

f:id:tabikichi:20190124083139j:plain

翌朝のレカナーティです。

f:id:tabikichi:20190124090133j:plain

f:id:tabikichi:20190124090140j:plain

f:id:tabikichi:20190124090212j:plain

城壁?の外側の道。

f:id:tabikichi:20190124090158j:plain

ホテルの人に教えてもらったこの売店で、アンコーナ行きのバスの切符を買いました。

f:id:tabikichi:20190124090253j:plain
f:id:tabikichi:20190124090256j:plain

教会と、塔。

f:id:tabikichi:20190124090334j:plain

レカナーティの観光看板。一番下の鳥マークが気になる!鳥がたくさんいる公園か何かでしょうか。行ってみたい~

f:id:tabikichi:20190124090433j:plain

でもバスの時間があるので。レカナーティはここで終わりです。小さいけど雰囲気の良い、1日くらいの滞在がぴったりの街でした。

 

バス乗り場

アンコーナ行きのバス乗り場の場所は、よくわかんなかったので、バスチケットを買った売店の店主に聞きました。「そこの道を降りたところ」。それしか聞き取れなかったのですが・・・

f:id:tabikichi:20190124092223j:plain

「そこの道」。

f:id:tabikichi:20190124092236j:plain

「降りたところ」。

バス停らしきものがなくて、カフェの人に聞いたり(英語が通じず、わからずじまい)、うろうろしたりして、ようやく見つけました。

f:id:tabikichi:20190124092326j:plain

「降りたところ」からけっこう奥の方(アンコーナと反対方向)に歩いたところにありました。

f:id:tabikichi:20190124092404j:plain

f:id:tabikichi:20190124092419j:plain
f:id:tabikichi:20190124092422j:plain

CAPOLINEAというのは終点という意味らしい。

f:id:tabikichi:20190124092528j:plain

来ました!アンコーナ行きR路線。この次はロレートで降りて、荷物を持ったままロレート観光です。

(続く)

ウルビーノマルケ州とアレッツォ旅行計画≫

  1. ルネサンスの都市ウルビーノから始める、絵画目当てのイタリア夏の旅
  2. 各都市への行き方と5日間の観光ルート 

ウルビーノマルケ州とアレッツォ旅行記

  1. ピエロ・デッラ・フランチェスカ目当てにウルビーノへ 
  2. 小さいけどけっこう面白い。城壁で囲まれた、ルネッサンスの理想都市 
  3. アンコーナ経由。ロレンツォ・ロットの絵を見に、丘の上の城壁の街レカナーティへ行く ⇐今ココ
  4. スピリチュアルってだけではなさそう。ロレートの聖なる家
  5. 2時間弱のアンコーナ観光。岬のてっぺんの大聖堂と、坂の途中の魅力的な教会
  6. アレッツォ半日観光。グランデ広場周辺と、古い教会
  7. 聖十字架伝説ほか、ピエロ・デッラ・フランチェスカのフレスコ画を見る

 

 

 

【ウルビーノ旅行記】2:小さいけどけっこう面白い。城壁で囲まれた、ルネッサンスの理想都市

ピエロ・デッラ・フランチェスカとロレンツォ・ロットの絵画を見に、ウルビーノ→レカナーティ→ロレート→アンコーナボローニャを経由して最後にアレッツォに行く旅行。ウルビーノ観光の続きです。

目次

 

 

ラファエロの家に行ってみよう

ドゥカーレ宮殿にも作品のあった、ラファエロの生家に行って見ることにしました。すごく急な坂の斜面の途中にありました。ウルビーノでここの坂が一番傾斜がきついらしい。

f:id:tabikichi:20190122203535j:plain

この街に来るまで知りませんでしたが、ラファエロのお父さんも画家だったとのこと。

f:id:tabikichi:20190122204107j:plain

部屋が広い!ウルビーノの街の小ささに比べてもかなりの大きさの家です。

f:id:tabikichi:20190122204122j:plain

中庭。ラファエロの祖父が商人で大成功して、それでこの家ということみたいですね。

f:id:tabikichi:20190122204200j:plain
f:id:tabikichi:20190122204158j:plain

とにかく部屋が広い。部屋数も多い。

壁にかかっている絵画はラファエロのコピーとかですが、ひとつだけ、ラファエロ本人が描いたと言われる壁画がありました。

f:id:tabikichi:20190122204244j:plain

聖母子でしょうか。子どもの幸せそうな表情が幸せな家庭を想像させます。ラファエロはお坊ちゃんだったということですね。ぼんぼんです。

 

オラトリオ・ディ・サン・ジョヴァンニ

ラファエロの家を観光したあと、細い道にある二つの礼拝堂を観光します。

f:id:tabikichi:20190122224944j:plainまずはこちら。オラトリオ・ディ・サン・ジョヴァンニです。ここに来るまでの道で、こんな隙間がありました。

f:id:tabikichi:20190123062933j:plain

内部はこんな感じ。

f:id:tabikichi:20190122224949j:plain

洗礼者ヨハネの生涯に関するエピソードの壁画が残っています。保存状態もけっこう良いです。

f:id:tabikichi:20190122225103j:plain

やっぱりヨハネと言ったらキリストの洗礼です。

f:id:tabikichi:20190122225127j:plain

反対側の壁には、ヨハネの死に関するフレスコ画がありました。

f:id:tabikichi:20190122225214j:plain

この真ん中のが、たぶんサロメだと思うんです。悪い顔してるから。

f:id:tabikichi:20190122230547j:plain

サロメに首を切られたヨハネの遺体を囲む人々。首がないとシュールです。

この建物の奥の部屋では、窓からドゥカーレ宮殿と大聖堂の裏側を見渡せます。

f:id:tabikichi:20190123060925j:plain

さすが理想都市。裏からみても美しいです。

 

オラトリオ・ディ・サン・ジュゼッペ

f:id:tabikichi:20190123080525j:plain

次は、すぐそばにあるこちら。

f:id:tabikichi:20190123080546j:plain

スタッコ装飾?ていうんでしょうか。洞窟の中を装飾したみたいな部屋がすごかったです。

あとは、普通の豪華な装飾の祭壇。

f:id:tabikichi:20190123080632j:plain

それから、何か信徒グループのユニフォームみたいのが展示されてました。

f:id:tabikichi:20190123080850j:plain
f:id:tabikichi:20190123080853j:plain

頭にかぶる布付き。こんな人がぞろぞろいたら怖いです。

 

ディナー:Antica Osteria de la Stela

f:id:tabikichi:20190123084237j:plain

晩御飯はガイドブックにも載っていた、街の真ん中にあるレストランにしました。

f:id:tabikichi:20190123084304j:plain
f:id:tabikichi:20190123084308j:plain
f:id:tabikichi:20190123084312j:plain
f:id:tabikichi:20190123084317j:plain
f:id:tabikichi:20190123084323j:plain
f:id:tabikichi:20190123084326j:plain

雰囲気が良くておしゃれなレストランでした。美味しかったです!

 

一番急な坂を登ってみる 

ラファエロの家のあった道が、ウルビーノで一番急な坂らしいです。ご飯のあと、ちょっと登ってみることにしました。

f:id:tabikichi:20190123090806j:plain

この傾斜。手ブレになっちゃいましたけど、下に見えるのは地面ですよ。

f:id:tabikichi:20190123090943j:plain

高ーい。

坂を登り切ると、でっかいラファエロのモニュメントがありました。

f:id:tabikichi:20190123091329j:plain

周りは公園です。

f:id:tabikichi:20190123091355j:plain

城壁の外は、どこにでもあるような、普通の街が広がってます。

でもちょうど日没の感じが綺麗でした。

f:id:tabikichi:20190123091703j:plain

そのまま道路沿いに歩いて、レジステンツァ公園に行ってみました。

f:id:tabikichi:20190123092159j:plain

門は閉まってましたが、隙間から見たところ。もう少し早く来れば良かった。

f:id:tabikichi:20190123092243j:plain

すっかり暗くなったところを、こんな道を通りながら戻ります。

f:id:tabikichi:20190123092323j:plain

これで夜の散歩終わり。

暗くなったのでさっさと切り上げましたが、もう一日、いやもう半日あったら、坂とか、小さい路地とか階段とか、気の済むまで街歩きしてみたかった。

 

ウルビーノ出発

翌日は9:30のバスでウルビーノを出発です。来た時と同じく、サンタ・ルチア門の向かいのショッピングセンターみたいな建物のエレベーターを最下階まで降ります。

f:id:tabikichi:20190123092826j:plain

大きなスーツケースを持つ旅行客とバスに乗り込みました。小さい街だしあんまり気にならなかったけど、やっぱ観光客はたくさんいたみたいです!

この日はペーザロ→アンコーナ駅経由で、レカナーティに行く予定。
 

(続く)

CREA Traveller 2014Autumn NO.39 [雑誌]

ウルビーノマルケ州とアレッツォ旅行計画≫

  1. ルネサンスの都市ウルビーノから始める、絵画目当てのイタリア夏の旅
  2. 各都市への行き方と5日間の観光ルート 

ウルビーノマルケ州とアレッツォ旅行記

  1. ピエロ・デッラ・フランチェスカ目当てにウルビーノへ 
  2. 小さいけどけっこう面白い。城壁で囲まれた、ルネッサンスの理想都市 ⇐今ココ
  3. アンコーナ経由。ロレンツォ・ロットの絵を見に、丘の上の城壁の街レカナーティへ行く
  4. スピリチュアルってだけではなさそう。ロレートの聖なる家
  5. 2時間弱のアンコーナ観光。岬のてっぺんの大聖堂と、坂の途中の魅力的な教会
  6. アレッツォ半日観光。グランデ広場周辺と、古い教会
  7. 聖十字架伝説ほか、ピエロ・デッラ・フランチェスカのフレスコ画を見る

 

【ウルビーノ旅行記】1:ピエロ・デッラ・フランチェスカ目当てにウルビーノへ

ピエロ・デッラ・フランチェスカとロレンツォ・ロットの絵画を見に、ウルビーノ→レカナーティ→ロレート→アンコーナボローニャを経由して最後にアレッツォに行く旅行。初日はウルビーノ観光です。

目次

 

 

ペーザロ駅のウルビーノ行きバス乗り場

真夏のイタリア。午前中でもすでに相当暑い中、ペーザロ駅に到着です。ウルビーノ行きのバスは、駅を降りてすぐのところのバス停から出てます。

f:id:tabikichi:20190122042001j:plain

ここが乗り場です。バスの番号は46番。

f:id:tabikichi:20190122042044j:plain

切符はその辺の売店で買えます。

 

ウルビーノのバス停はショッピングセンターの地下階

何もない田舎の道をバスに揺られること45分。前方にすごくかっこいい城壁で囲まれた街が見えてきたら、ウルビーノはもうすぐです。

ところで、到着地はこんな感じの地下駐車場っぽいところ。

f:id:tabikichi:20190122042252j:plain

全然ウルビーノっぽくないけど、ここはいったいどこ?バス会社の表示とWelcome to Urbino。

f:id:tabikichi:20190122043026j:plain

さらに奥に行くとエレベーターがあって、なんとなく全貌がわかります。Centro Storicoというマークを目指して、エレベーターでP10というフロアまで登っていけば良さそう。

f:id:tabikichi:20190122043127j:plain

奥のエレベーターはP6までしか行きません。

f:id:tabikichi:20190122043331j:plain
f:id:tabikichi:20190122043433j:plain

P6で降りて、デパートみたいな雰囲気のフロアでエレベーターを乗り換え。最上階まで行くと、やっと外に出られました。

f:id:tabikichi:20190122043504j:plain

振り返るとこんな感じ。

f:id:tabikichi:20190122043545j:plain

道路の向かいには、ウルビーノのサンタ・ルチア門が見えるので、ここからいよいよウルビーノへ入城です!時刻は11時半過ぎ。

f:id:tabikichi:20190122043633j:plain

 

ホテルとランチ

f:id:tabikichi:20190122045215j:plain

サンタ・ルチア門から、街の中心に向かって、坂を下ります。

下りきったところで振り返る。

f:id:tabikichi:20190122045219j:plain

ホテルはこの広場からすぐ横の道に入ったところにある、立地の良い場所です。

f:id:tabikichi:20190122045557j:plain

古いけど街の真ん中にあって、値段もリーズナブルで使いやすいホテルでした。

f:id:tabikichi:20190122045602j:plain
f:id:tabikichi:20190122045606j:plain

あと、ここのフロントで主要観光施設のオープニング時間が書いてあるチラシをもらえます。これがなかなか便利でした。

イタリアは昼休みをがっつりとるところが多いです。そのくせ、特に教会なんかはホームページに時間の情報がなかったり、載せてても時間が変わってたりするので、現地で聞くのが一番確実なんですよね。

www.booking.com

ウルビーノの観光時間は、この日の午後だけです。早く観光に入りたいので、簡単なお昼をとることにして、カフェに入りました。

f:id:tabikichi:20190122051112j:plain

f:id:tabikichi:20190122055201j:plain
f:id:tabikichi:20190122055158j:plain

右の写真のオレンジの飲み物は、イタリア人が夏によく飲んでいるアペロール・スプリッツというアルコールドリンクです。

簡単にパンと飲み物だけのつもりだったのですが、アルコールを注文すると、ポテトチップの小皿と大量のカナッペ盛り合わせみたいのが出てきました。太っ腹~。これだけでお腹いっぱいになります。


ドゥカーレ宮殿(国立マルケ美術館)

f:id:tabikichi:20190122063252j:plain
f:id:tabikichi:20190122063255j:plain

観光のはじめはまず、ドゥカーレ宮殿から。ここのピエロ・デッラ・フランチェスカを見に来ました!

はじめの方は装飾のある部屋をいくつか通りました。

f:id:tabikichi:20190122064733j:plain

f:id:tabikichi:20190122064832j:plain
f:id:tabikichi:20190122064835j:plain

ぼろぼろだけど、きっと素晴らしい部屋だったに違いない壁画のある部屋。

f:id:tabikichi:20190122064954j:plain

受胎告知の祭壇画。

f:id:tabikichi:20190122065011j:plain

こちらも受胎告知。

f:id:tabikichi:20190122065101j:plain

 

ピエロ・デッラ・フランチェスカの部屋

ピエロ・デッラ・フランチェスカの2作品は同じ室内に、巨大な解説パネルとともに置いてあります。

f:id:tabikichi:20190122065742j:plain

謎の3人を接写。

f:id:tabikichi:20190122065820j:plain

この絵の考察として4つの説が挙げられてました。英語だったのと、その場で見たときの記憶を頼りに書いてるので、細かいところがいろいろ違ってるかも。

  • 手前の3人のうち、中央が暗殺されたウルビーノ公の弟、左右がウルビーノ公の弟の腹心の部下説。
  • 手前の3人のうち、中央が暗殺されたウルビーノ公の弟、左右が暗殺実行者説。
  • 手前の3人のうち、左が滅亡寸前のビザンツ帝国の皇帝ヨハネス8世説。(帽子と髭が皇帝の肖像画に似ているのだとか。)西側諸国に救援を求めている図で、キリストの鞭打ちは、イスラムに征服されそうになっている東方正教会の暗示なのだそう。
  • 手前ではなく、奥にいてキリストの鞭打ちを見ているのがビザンツ皇帝ヨハネス8世説。(帽子だか靴だかが、当時のギリシャ人風スタイルなのだとか。)

4つの説のうち、後半2つはわりと新しい説だそうです。

気になったので、他に描かれたヨハネス8世パレオロゴスの肖像画を探してみました。

左はメディチリッカルディ宮に描かれたゴッツォリのヨハネス8世、右がピサネッロ制作のヨハネス8世のメダル。

f:id:tabikichi:20190125091233j:plain
f:id:tabikichi:20190125075336j:plain

似てる・・・?似てる気がします。

この皇帝は、フィレンツェ公会議の出席のため、コンスタンティノープルからフィレンツェを訪れているので、実際見た人も多かったことでしょう。

ちなみにこの絵、板の上に描かれているのですが、けっこう反りが激しいです。ちょっと不安になる。

f:id:tabikichi:20190122070837j:plain

もう一つの作品、「セニガリアの聖母」はこの奥にあります。

f:id:tabikichi:20190122071238j:plain

セニガリアっていうのは地名みたいですね。これもすごくいいです。

f:id:tabikichi:20190122071308j:plain

聖母子とも一重?なんか目が小さくて東洋的な顔をしています。

それから、かつてピエロ・デッラ・フランチェスカの作品と言われていたけど、今は違う作者のものということが分かっている「理想都市」。

f:id:tabikichi:20190122072158j:plain

同じ部屋にありました。けっこう大きいです。

 

象嵌の部屋

あと、この宮殿には素晴らしい木象嵌の部屋があります。タルシアと言ったりします。この木を使ったはめ込み細工、イタリアでしか見ないんですが、精巧でだまし絵みたいに立体的に見えて、好きです。

f:id:tabikichi:20190122075248j:plain

写り込みがあってあんまりいい写真が撮れませんでしたが、すごく見応えがありました。

f:id:tabikichi:20190122075345j:plain

左の方に見える、扉が開いているような木象嵌。立体的に見せかけて実は平面です。だまし絵感半端ない。

f:id:tabikichi:20190122075411j:plain

 

そのほか良かった作品

f:id:tabikichi:20190122082628j:plain

ロレンツォ・ロットの作品も、一つありました。

f:id:tabikichi:20190122082643j:plain

聖痕?を自慢げに指さす聖ロッコ。なんか傷が生生しいです。

次、この絵。

f:id:tabikichi:20190122082735j:plain

この肖像画のこの横顔。ウルビーノ公爵のフェデリコ・モンテフェルトロに違いない。誰が描いても特徴のある顔というのは、絵の中で知り合いに会ったような親近感が沸きます。

f:id:tabikichi:20190122082913j:plain
f:id:tabikichi:20190122082916j:plain

アッシジのフランチェスコを描いたもの。

それから、ウルビーノの生まれのラファエロの作品もありました。

f:id:tabikichi:20190123062214j:plain

f:id:tabikichi:20190122083055j:plain

 

ウルビーノルネッサンスの理想都市

ドゥカーレ宮殿を出ました。となりの大聖堂。

f:id:tabikichi:20190122203427j:plain

向かいの教会。

f:id:tabikichi:20190122203432j:plain

教会の前にはオベリスク

f:id:tabikichi:20190125084428j:plain

観光地にはつきものの、ミニトレイン。坂が多いところだと楽しいかもしれない。

f:id:tabikichi:20190122203446j:plain

ウルビーノは文武両道のフェデリコ・モンテフェルトロ時代に最盛期を迎え、その時に作られた街並みが、理想都市と称えられたのだそう。

その街並みは今もほとんど変わっていないみたい。同じ色の建物が並ぶ様子は綺麗で、ごちゃごちゃしたところがなくてすっきりと整然。

あとついでに言うと、アクセスしにくい場所だからか?あんまり観光客で混雑してなくて、のんびり観光を楽しめます。

ペーザロからのバスで向かう途中の景色は、ほんとにどこにでもあるような、別にきれいでも何でもない田舎の風景なので、ここに来たときのギャップがすごいです。

f:id:tabikichi:20190125084507j:plain

公爵マークのジェラート屋で休憩。

 

(続く)

CREA Traveller 2014Autumn NO.39 [雑誌]

ウルビーノマルケ州とアレッツォ旅行計画≫

  1. ルネサンスの都市ウルビーノから始める、絵画目当てのイタリア夏の旅 
  2. 各都市への行き方と5日間の観光ルート 

ウルビーノマルケ州とアレッツォ旅行記

  1. ピエロ・デッラ・フランチェスカ目当てにウルビーノへ ⇐今ココ
  2. 小さいけどけっこう面白い。城壁で囲まれた、ルネッサンスの理想都市
  3. アンコーナ経由。ロレンツォ・ロットの絵を見に、丘の上の城壁の街レカナーティへ行く
  4. スピリチュアルってだけではなさそう。ロレートの聖なる家
  5. 2時間弱のアンコーナ観光。岬のてっぺんの大聖堂と、坂の途中の魅力的な教会
  6. アレッツォ半日観光。グランデ広場周辺と、古い教会
  7. 聖十字架伝説ほか、ピエロ・デッラ・フランチェスカのフレスコ画を見る