イスタンブール旅行記その6、最終日です。気になっていた1453パノラマ博物館に行き、そのあとは再び街歩き。最後にコンスタンティノープル全地総主教座を観光。
目次
ランチケバブ
この日は昼から観光開始。ホテルのすぐ近くにあって、すごく美味しかったケバブ屋さんでランチ。じつは美味しすぎて2度目の訪問。
ジャーケバブというらしい。ジャーってどういう意味かわかんないけど、肉の塊を横向きにしてぐるぐる焼いてました。ラム肉と玉ねぎやトマトがすごく合います。イスタンブール旅行で一番おいしい食べ物でした。
トラムに乗ってパノラマ博物館へ
トラムの1番に乗って、トプカピ駅で下車。
ちょっと歩くと見えてくるのがパノラマ1453博物館。2009年にオープンした、わりと新しい博物館です。
向こう側にはテオドシウス城壁。
中に入ると、コンスタンティノープルを陥落したスルタン・メフメト2世の人形が置いてありました。
博物館に入ると、コンスタンティノープルの陥落まで、どういう時勢でどんな風に攻めていったかという解説が、カラフルなパネルとトルコ語で時系列に展示されてます。一応下の方にすごく簡略化した英語の文章があります。
使わなかったけれど、音声ガイドは各国語用意されていて、たしか日本語もありました。絵だけ適当に眺めてたけど、真面目に文章を読んだら、征服者側の目線で面白いのかもしれない。
トルコ軍による包囲網の図。
それで、だんだん陥落の日に近づいて行って、いよいよその日、の展示がパノラマの部屋になります。
360度、ぐるっと戦争の様子が描かれていて、かなりの大迫力。
トルコ軍の装備や大砲など、細かいところも面白い。
ずっと向こうまで続くテオドシウス城壁に注目です。
これ、コーラ修道院じゃないだろうか。
パノラマ、なかなか良かったです!コンスタンティノープルの陥落について、事前に本とか読んでくれば、なおのこと楽しめます。
自分の場合はこちらを読んでから来ました。小説風で読みやすいです。
パノラマを見終わったあとも展示が続きます。
征服後のイスタンブールの統治について、メフメト二世がうまいこと統治を行った、っぽい絵や説明がありました。(キリスト教徒は改宗を強制させられることなく、キリスト教徒のまま、以前よりも良い暮らしができた。とか。)
博物館を出たところの屋台で、サレッブという熱々のバニラアイスみたいな飲み物を飲んで体を温めました。
外には本物のテオドシウス城壁があります。
大砲で壊されてましたが、やはり立派だなあ。
途中、幹線道路を通すために途切れているところから城壁内に入ります。
次の目的地は金閣湾沿いにあるコンスタンティノープル総主教座。遠いけど、適当なトラムやバスがなかったので、徒歩でイスタンブールを縦断します。
イスタンブールの街なか・信仰強めの地域
地図を見てかなりローカルなイスタンブールを歩きました。にぎやかで賑わっている大通り沿いは平気ですが、少し細い道に入ると、あまり治安のよくなさそうな、雰囲気の良くない道になったりするので、けっこう怖いです。夕方とか絶対来たくない。
あばら家のようにも、古き良き伝統住宅のようにも見える木造の廃屋。やっぱりあばら家ですかね。ドアのところの装飾は美しいのにもったいないです。
それとは別に怖っと思ってしまったのが、下にグーグルマップを張りましたが、ヤヴズ・セリム・モスクの近辺。
このモスクって何かすごい聖地なんでしょうか?歩いている人が全員信仰心高めの服装で、普通の洋服の人がいないのです。
女性が全身真っ黒で覆っているのは言わずもがな、男性もみんなマントっぽいのと帽子をかぶっていて雰囲気が他と違いました。
普通に歩いてるだけで、何かとんでもないタブーを犯してるんじゃないかなと、勝手にヒヤヒヤしました。実際は何もありませんでしたが。
バラット(Balat)地区のおしゃれカフェ
聖なる地域を過ぎて坂を下りると、いきなり雰囲気が変わります。
家がカラフルになり、女性たちの格好もちょっとカジュアルダウンしてきます。
遠くに見える、トルコっぽくない建物。ギリシャ正教の神学校らしい。
坂を下り切ると、カラフルな家々とかわいいカフェエリアになります。観光客の姿がたくさん。
ガイドブックに載ってなかったのですが、バラット(Balat)という地域らしい。下町の雰囲気が残るエリアらしいですが、おしゃれカフェエリアとなっています。
正直、新市街で見たおしゃれカフェエリアよりも、全然魅力的!全然こっちのが楽しいです!
女性向け旅行雑誌は新市街よりこっちを特集すべきだと思います。
帰ってから色々調べてみると、バスでアクセスできるみたいですね。もしかしてちょっと前まで治安が悪いエリアだったのかも?歩いてる限り、観光客も多いし、そんな危ない感じはしませんでした。
角にあるカフェで休憩。
男性二人でやってるみたいですが、インテリアとか小物とかがキュンキュンする可愛いカフェでした。
チャイとホットミルクとケーキ。
お会計の箱が良い味出してる。
エキュメニカルはここだけ。
おしゃれカフェ密集地のすぐ近くにある、コンスタンティノープル総主教座に来ました。総主教座ってのは総本山みたいな意味です。
ビザンツ帝国が滅びて、都市の名前はイスタンブールになってしまったけど、コンスタンティノープル総主教座はその名前のまま、この街に細々と生き残ってました。(歴史的にはもちろん、あのアヤソフィア、アギア・ソフィア大聖堂に総主教座があったわけです。)
私有地なのでしょうか、クルマの出入りは制限されてます。道路の舗装も変わります。ここから宗教違いますよー、の合図みたい。
外側から見た建物。
クリスマスツリーがある!なんだか懐かしい。
内部は典型的なギリシャ正教会の内装でした。
古代にはエルサレム、ローマ、アンティオキア(現トルコのアンタキヤ)、アレクサンドリア(エジプト)に加えてコンスタンティノープルで、五大総主教座と言われたところです。
現在の東方正教会はセルビアとかブルガリアとかグルジアとか、地域ごとに総主教が置かれていますが、それらはみな対等。ただし、コンスタンティノープルだけ、一段上の「全地(エキュメニカル)総主教」という称号がつくのです。名誉上の称号ということらしいです。
正教の組織体系がよくわからないけど、ここの総主教座が頭ひとつ抜けてる扱いなのは、この旅行当時のニュースで知りました。ウクライナ正教のロシア正教からの独立問題です。
ウクライナ正教はもともとロシア正教の中にありましたが、諸々の政治問題や反ロシア感情から (たぶん。推測です)、ウクライナ正教としての独立を画策。
なお、ロシアのキリスト教というのは、キエフを伝導の拠点として、ビザンツ帝国の宗教を取り入れたことから始まってます。
だから、キエフ=重要な聖地や歴史や由来を持つ要の都市=ウクライナを失うことになるロシア正教としては、面白くないのだと思う。まあ、多分に政治的な意図のほうが重かったんだと思いますが、(これも推測です。)もちろん独立には反対してました。
このとき、コンスタンティノープル総主教が、ロシア正教会はウクライナ正教の独立に口を出すべきではない。というコメントとともにウクライナ正教の独立を承認した、とニュースに出てたんですね。
ここらへん、ロシア側はぐぬぬ・・・って感じで、もはやコンスタンティノープル総主教とは付き合いがなくなってもいい、決別する!くらいなこと言ってました。このニュースで、コンスタンティノープル総主教座の頭ひとつ出た立ち位置がわかるなあ。と思います。
イコノスタシス。豪華です。
置いてある古そうなイコンやモザイクは、コーラ修道院やアギアソフィア聖堂(アヤソフィア)、パナギア・パンマカリストス修道院(ファティエ・ジャーミィ)にあったものらしい。
写り込みがけっこうありますが、この聖母子のイコンはすごく良かったです。
天使の衣装が面白い。
なかなか面白かったです。こんなイスラム教の街のど真ん中で、大変だろうな。。。すぐ近くには、さっき通ったヤヴズ・セリム・モスクがあるし。
ちなみに敷地内に、現総主教のバルトロメオス1世の、名前(ギリシャ語)をモノグラムにしたグッズを売っている売店があります。
これは入口の管理室?みたいなボックスのガラスにプリントされてるもの。
このモノグラムがかっこいい。思わずマグカップを購入してしまいました。
円のところにギリシャ語でエキュメニカルパトリアルヒス(全地総主教)っぽいことが書いてあって(正確には読めないのですが)、ぐっときます。
ディナー
ディナーを終えたら、イスタンブール6日間の旅行は終わり。
ワンの予定が白紙になってしまいましたが、その分イスタンブールを色々見れて良かったです。エリアによって雰囲気の異なる、いろんな表情のある都会でした。
それにしても、冬のトルコはけっこう寒かったです!博物館とか、主要な観光施設はあんまり暖房がきいてないのが結構しんどかった。
イスタンブール市内のビザンティン教会建築ではまだ見てないものもあるし、ボスポラス海峡クルーズとかも乗っていないし、モスクは入らないままだったし、新市街の宮殿とかも見てないので、またいつかゆっくり訪れたい街です。
≪イスタンブール旅行計画≫