超個人的★ヨーロッパ旅行のHow To

ヨーロッパに住んでいる旅行好きです。バックパッカー、キャンプ、ユースやドミトリー泊などはしません・・・。公共交通機関(やタクシー)ばかり利用してきた、これまでの個人旅行記録と旅のHow To。

【セルビア旅行記】4:贅沢で繊細。宝石箱みたいなリュボスティンヤ修道院、カレニッチ修道院、ラザリツァ教会

セルビア旅行記、4日目。クラリエボからクルシェバツに移動しながら、装飾が特徴的なモラヴァ様式の教会建築を3つ、見ていきます。

 

目次

 

クラリエボからクルシェバツに移動

セルビア修道院巡りも後半4日目です。世界遺産を含むラシュカ様式の教会建築はほぼ見終わって、大本命モラヴァ様式(リッチなデコレーションのビザンティン建築)の教会建築を見に行きます!

A:クラリエボ→B:リュボスティンヤ修道院→C:カレニッチ修道院→(クルシェバツの街に入って)D:ラザリツァ教会、のあとにクルシェバツのホテルに降ろしてもらいます。

この日見るどの教会も「Like a Bonbonnière」という形容詞がぴったりの、装飾の美しいモラヴァ様式建築。中世セルビアの教会建築の3分類のうち、最も後期の建築様式です。

正直、世界遺産の教会よりも、モラヴァ様式の教会を見たくてセルビアまで来たというところある。がぜん盛り上がります。

※グーグルマップの車のラインは自分が適当に線を引いたものなので、実際のルートとは若干異なります。

3日間滞在したクラリエボとはここでお別れ。

 

リュボスティンヤ修道院(Ljubostinja Monastery)

天気に恵まれたこの日、リュボスティンヤ修道院はほかの観光客や参拝者で賑わっていました。

のんびりした田舎地帯を抜けた山の傍にある修道院です。

そして、これが教会です。

ふぉお・・・美しい。後から写真で見返しても美しい。この装飾!バラ窓!!

逆光ですが、裏から見たところ。まず建物のベースがビザンティンなのにバラ窓っていう組み合わせが他で見たことないものですよね。

このリュボスティンヤ修道院はこれでもかとバラ窓を組み込んでます。

これとか・・・

これとか。

一つ一つ絶妙にデザインが異なるのですよ。

透かし彫りの窓の周りも、星型がちりばめられてたりして、凝ってます。

良い~。

内部の写真撮影は禁止でした。

アジア人の観光客が珍しかったのか、参拝に来たっぽい住民で英語を喋れる人が、14世紀の建築そのままであること・トルコの攻撃にもやられなかったこと、などを教えてくれました。

歴史的にはネマニッチ王朝の後、セルビア王国を統治したラザール王子と結婚したミリツァ王妃が建てたもので、セルビアで最初の女性修道院となったそう。

ウィキペディアによると建物はヴェネツィアンゴシックとイスラム建築の影響が融合されているとのこと。

細部を眺めていくと、確かにヴェネツィアっぽさ(イスラム風なところ)ある気がする。それか。それがよいのか。

や~もうなんかすごくいいです。昨日までさんざんラシュカ様式(ロマネスクっぽいビザンティン建築)見てきたけど、やっぱこっちが良い。好きです。

なぜか世界遺産にはなってないのですが、多分ストゥデニツァ修道院を眺めるよりこっちを見た方が楽しいと思いますよ。。。超個人的意見ですけど。。。

さんざん眺め倒して、次に移動します。

 

カレニッチ修道院(Kalenić Monastery)

カレニッチ修道院は、リュボスティンヤ修道院より更に山奥、農村の最後の奥地みたいなところにひっそりとありました。

門をくぐって、対面。。。

なんか、全体的に赤い・・・!

そしてギンガムチェックとストライプ?バラ窓、ねじりチューブ装飾・・・お、おしゃれ~

ファッショナブルなビザンティン建築です。ここでもバラ窓を激写。

ウフフ。おしゃれですね。赤と白の色の違いをアクセントにしてます。

下のバラ窓はホタテ貝っぽい。。かわいい。

それからこの教会は、扉や窓周りなんかの動物の彫刻も個性的で面白かったです。

周りを囲む装飾は、ホールケーキの縁あたりのクリームデコレーションを彷彿とさせる。正面出入口の扉周りも以下のような感じ。レース編みのモチーフをそのまま彫ったみたい。

このレース編み文様は、ギンガムチェック市松模様ゾーンにもあります。

それから、教会の下の方。

セルビア語でしょうか。綺麗に取り囲むようにあったので、落書きではないような気がする。

歴史的には15世紀の建築で、ステファン・ラザレヴィチの侍従長ボグダンによって建てられたとのこと。その頃からの文字かな。あと、内部は撮影禁止ですが、フレスコ画もけっこう残っててよかったです。

いやあの本当に、なぜか世界遺産ではないのですが、多分ストゥデニツァ修道院を眺めるよりこっちを見た方が楽しいと思いますよ(2回目)。。。

超個人的意見ですけど。。。

素晴らしい建築でした。大満足です!

 

ラザリツァ教会(Lazarica Church)

ここはグーグルマップで「首輔祭聖ステファン教会」と表記されているところです。「ラザリカ」と日本語で書いてあるのも見たことありますが、セルビア人はみんな「ラザリツァ」と発音してました。

ラザリツァ教会は、クルシェバツの町はずれの公園の中にあります。

出ましたー!ストライプ、バラ窓。レース編み模様。角ばった構造なのにリッチデコレーションがふんだんに施されていて、良いですね。

正面から見たところ・・・細長い。

結婚式をやってました。

後ろから見たところ。

後陣の膨らんだところに装飾的なアーチとチューブ状の柱が立体的に入ってる感じ、ヴェネツィア(で見たビザンティン建築)っぽくて好きです。

ここクルシェバツは、中世セルビアのラザール王子が1371 年に要塞として設立した街で、ラザリツァ教会も1375年頃の建築。この公園は、教会とその要塞部分の遺構が残る記念公園です。

この辺りが要塞の遺構。親子連れや家族が思い思いに遊んでいます。

こんなプレートがありました。

当時は三角の屋根がついてたんですね。

公園マップ。教会の南の方には博物館もあるようです。英語訳があって親切。

ラザール王子の像。(この人は1389年のコソボの戦いで戦死しました。)

公園には英語を喋れる住民がいて、ラザリツァ教会が14世紀そのままの建築だということを教えてくれました。

この教会でもやはり目立つ、バラ窓。

こっちのバラ窓もよい。

お花が彫られていてなんだか乙女な感じ。

結婚式がそろそろ終わり、人がたくさん出てきたので、中に入る。

ところが内部は綺麗に修復されてしまっており、フレスコ画はありませんでした。

フレスコではないけれど、新しく描かれたぽい絵。

教会を捧げ持つラザール王子の姿がわかります。

素晴らしい立地の素敵な教会でした。。。

クルシェバツを拠点に見に行くモラヴァ様式教会めぐり。まだまだ見に行きますが、この日の3か所だけでも十分おすすめ!です。

 

(続く)

セルビア旅行計画≫

  1. ビザンティン建築と西欧風の良いとこ取り。中世セルビア正教会の修道院めぐり
  2. セルビア教会建築めぐり、計15か所。余裕を持った行き方と観光ルート

セルビア 旅行記

  1. ストゥデニツァ修道院・ジチャの修道院・グラダツ修道院
  2. ペトロヴァ教会・ジュルジェヴィ・ストゥポヴィ修道院・ソポチャニ修道院
  3. アリリエの聖アキレリウス修道院・ミレシェヴァ修道院
  4. リュボスティンヤ修道院・カレニッチ修道院・ラザリツァ教会 ⇐今ココ
  5. ナウパレ修道院・聖ニコライ聖堂・セルビアの東武ワールドスクウェア
  6. ラヴァニツァ修道院・マナシヤ修道院+旧ユーゴ時代のSpomenik
  7. ベオグラード観光①・あてどなく街歩き編。夜食も食べる
  8. ベオグラード観光②・定番観光地編。夜カフェも行く
  9. ベオグラード観光③・最終日、博物館編。
  10. ベオグラードのビザンティン・リバイバル建築巡り
  11. 聖サヴァ大聖堂の教会モザイクを実物と比べてみる