キプロスのトロードス山中にある、世界遺産のビザンティン教会をタクシーチャーターで回る旅行記、後半です。滞在地はラルナカ。
目次
トロードス地方の教会群・後半
この日も朝から、ニコシア経由でトロードス地方の教会群を回ります。2日目のルートはこちら。
1日目の様子はこちら。
The church of Agios Ioannis Lambadistis
2日目の最初の教会はここです。アギオス・イオアニス・ランパディスティス教会。
この教会は、時代の異なる3つの教会に一つの屋根が架かっているという、かなり大きめの教会です。
写真が禁止なので紹介できないのですが、ここのフレスコ画はすごく良かったです!
13世紀のものが一番古いですが、奥の方にある16世紀のラテン・チャペルに描かれた、イタロ・ビザンティンという、ルネサンスに影響を受けたフレスコ画がかなり良かった。
https://www.visitsolea.com/the-monastery-of-agios-ioannis-st-john-lambadistis-frescoes/?lang=en
地域の観光サイトに、内部のフレスコがちょっとだけ紹介されています。
もちろん古い時代の壁画もびっしり描かれているのが残っていて、素晴らしかった。大きい教会だけあって、見るところもたっぷりあってかなり満足できました。
現役の修道院機能もあるようで、修道院ショップもありました。英語を話す修道士さんが内部を説明してくれます。
お花もたくさん咲いていてきれいだった。
カロパナギオティス、という山の中の村にあります。
The Church of Panagia tou Moutoulla
次は少し登ったところにある、ムトゥラという村にあるパナギア・ムトゥラ教会。
運転手も初めてだったみたいで、村の人に道を聞きまくって、やっと到達しました。
扉が閉まってましたが、鍵は開いていて入ることができました。ここは写真が撮れました。
内部の壁画は損傷が激しいのがちょっと残念。
古いものは13世紀のものらしいです。
外壁のフレスコ画を守るように、片側だけ通路みたいになってました。
The Church of the Archangel Michael
次です。ムトゥラ教会と似た形の、アルカンジェル・ミカエル教会。
ここも写真撮影ができました。
15世紀の建築。フレスコ画も、ビザンティン時代の壁画には珍しく、画家の名前がわかっているものだそうです。色鮮やかで状態も良いです。
扉の横にある、大天使ミカエルの絵が巨大ですごい存在感。
外壁もなかなか見ごたえがありました。西洋絵画に影響を受けたスタイルだそうです。兵士の鎧などのデザインが影響を受けた部分らしい。
小さいけれども、ここも十分見ごたえのある教会でした。
Kikkos Monastery とマカリオス3世の記念堂
次に、観光客が集まるキッコス修道院へ来ました。ここは世界遺産じゃないのですが、トロードス地方の教会ツアーとかに必ず入っている行き先。現役修道院です。キプロス島民にとっても重要な教会らしいので行ってもらいました。
何度か火事になっていて、建物や装飾は全部新しいです。というわけで、あまり見どころはないです。
この修道院には、福音書記家の聖ルカが描いたという聖母子のイコン(現存するのは世界に3つだけらしい)のひとつが保存されている、とのことです。
上のモザイク壁画は多分、聖ルカがイコンを描いて、描き上げたっぽい場面。
本物だとしたら、聖書の時代に描かれた、ほぼ2000年前のイコンということになりますが、肝心のイコンはどれだったのか・・・結局わからなかったです。聖堂内にたくさんイコンが飾られていたので、それのひとつだったかも。聖堂内は写真撮影禁止でした。
イコン博物館にも、聖ルカのイコンを模写したイコン、というのがたくさんありました。
壁には、イコンにまつわるいろんなストーリーが描かれてます。
その後、車で少し上って、マカリオス3世の記念碑にも行きました。
マカリオス3世は、キッコス修道院で学んだあと、キプロス大主教となった人物。なおかつ、独立したキプロス共和国の初の大統領となった人物です。大統領がキプロス正教の大主教。
義務教育で「(我が国は)政教分離!!」と教えられている日本人には違和感ありまくり。でもキリスト教社会はこういうのありなのか。
巨大な像。
ここからしばらく歩きます。かなり高いところにいる。
記念聖堂までの舗装された道。
新しい聖堂内は金ぴかできれいでした。
モザイクもなんか面白かった。
左は古代、真ん中の鎧は中世風、右はどう見てもハリウッド俳優の映画衣装にしか見えない。たぶん最近の何か偉い人なんだと思います。
聖堂から少し下ると、マカリオス3世の墓がありました。
良い景色。
前日から運転してもらっているタクシー運転手さんはすごく感じの良い人で、運転の合間にキプロスの歴史を説明してくれました。その中でも、このマカリオス3世についてはかなり熱っぽく語ってました。キプロス島民にとっては念願の、独立を勝ち取った英雄として語られる存在のようです。
The church of Timios Stavros
トロードス山を大分下ってから、最後の教会、ティミオス・スタヴロス教会に来ました。
ですが、この日(土曜日)は13時で閉まるとの表示。もう閉まってました・・・残念。しょうがないので周りをぐるぐる見る。
今まで見てきた三角屋根じゃない。この辺はかなり下ってきたし、そんなに雪が降らないのかもしれない。
フレスコ画は12世紀から16世紀のものだったらしい。
例の観光サイトに、内部の絵が少し紹介されてました。
https://www.visitsolea.com/timios-stavros-holy-cross-church/?lang=en
見たかったなあ。
これで教会めぐりは終了。リマソールに抜けて、ラルナカのアパートメントまで送ってもらいました。
ラルナカ中心部のレストランとカフェ
夕食はラルナカ市街地にあるギリシャ料理レストラン。
なかなかおいしかったです。
To Arxontikonというお店。
それから、翌日の飛行機の時間までカフェで過ごしました。
前回も行ったところ。店員さんが顔を覚えていてくれました。このお店はコーヒーとかラテが美味しかったです。
2日間で世界遺産の10分の7(+キッコス修道院)を鑑賞
前回(1月)、路面凍結と吹雪で、タクシーがトロードス山中まで行ってくれなかったのですが、こうやって2日かけてみて、確かに!と思いました。傾斜が急なのに、くねくねした山道がずっと続くので、ここを路面凍結の中走るのはかなり怖い。
あと、一番最初に計画したときは、1日で10件全部回れると考えていたけど、教会は山の中の行きにくい場所にぽつぽつ点在しているので、結局丸々2日間、朝8時から17時くらいまでかかりました。
トロードス山中にはニコシアかリマソール、あとパフォスからしか入れないようなので、ラルナカ拠点というのはあんまり便利じゃないかもしれません。(今回は空港がラルナカだったので拠点にしただけ。)
全部の教会に入れたわけではなかったけど、10の世界遺産のうち7つを見れたので、かなり満足です。
あと、暖かい季節のキプロスはリゾート感も素晴らしくて、楽しかった!教会が見たい、でもリゾートで休暇を楽しみたいという人にはおすすめの行き先です。
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