マドリードとグラナダ旅行記、マドリードの美術館編です。1日目はプラド美術館で限界まで体力消耗した後、夜にゲルニカ。2日目はティッセン・ボルネミッサ美術館で素晴らしいコレクションを堪能。
目次
プラド美術館
初日、ホテルに荷物を置いて真っ先に向かったのがこちら。プラド美術館です。
事前に調べていた情報などで、自分の中では「ルーブル美術館ほど行列しない」との認識だったのですが、10時半頃に行ってみると大行列。
知らなかったのですが、プラド美術館200周年記念ということで、この日を含む3日間、無料だったのです。
お金を払う代わりにこんなピンバッジをもらえました。
この美術館はヨーロッパの美術館にしては珍しく、写真撮影が禁止。
なので写真はありませんが・・・ゴヤ、ベラスケス、エル・グレコといったスペインの画家に加え、ヒエロニムス・ボス、メムリンク、ウェイデンなど、大好きなフランドルの画家、その他いろいろな画家の素晴らしい作品を、たっぷり時間を取ってたっぷり堪能できました。
美術館ガイドでも一番最初に紹介されているボスの「快楽の園」。ボスの絵はいつどこでも大人気です。
中学生の時に本で見てまさに中二心を存分にくすぐられた大作。ようやっと実物を見ることが出来ました。
それから、残念だったのがブリューゲルの「死の勝利」。
これ、すごく楽しみにしていたのに、なんとロンドンに貸し出し中でした!!
少し後にロンドンに行く予定があったのですが、その時期にはプラド美術館に戻ってきているという・・・なんというすれ違い。
あと、ちょっとカルチャーショックだったのがデューラーの表記です。
ドイツ人の「Albrecht Dürer」、日本人はドイツ語読みをそのままカタカナにしてデューラーと呼んでますが、プラド美術館始めスペインの美術館では、彼は「Durero」と表示されてます。デュレロ。一瞬混乱しました。
プラド美術館のミュージアムショップでは百科事典みたいな大きさのプラド美術館目録が置いてありましたが、(日本語バージョンもあり)、さすがにこれから旅行するのにそれは持ち歩けないので、うすーい見学ガイドを買って満足。
プラド美術館は巨大な美術館でした。見終わった後は満足感とともにかなりの疲労でぐったりしてましたが、この日のうちにもう一つくらい美術館を見ておくことにしました。
ソフィア王妃芸術センターとゲルニカ
ゲルニカの置いてあるソフィア王妃芸術センターです。
中庭を囲むような廊下沿いにいくつもの部屋があり、そこに絵画が展示されています。
学校の教室みたいなつくりだな、と思ったら元病院だったらしい。なるほど。
いくつかいいなと思った絵です。
なんか時代感が出てて好き。おじさんたちが生きている人間っぽい。
司教の訪問、というタイトル。真ん中にいるのが司教だと思うけど、まわりの人たちはあんまり嬉しくなさそう。
どれも自分の知っているダリ(時計がぐにゃーん、象の足がピーン)とは全然違うイメージで新鮮でした。
教科書にも載ってるし、何度も見たことあるし、ピカソ自体そこまで好きじゃないし、一応見ておこう・・・くらいのつもりで見に行きました。
が、本物は凄かったです。大きさがすごいし、伝わってくるものが並々ならぬものがありました。絵を前にして動けなくなるといったら大げさかもしれないけど、本当そんな感じ。
ティッセン・ボルネミッサ美術館
マドリード2日目の朝から訪問しました。
この美術館は一言でいうと自分の好みにドンピシャの美術館でした。これらのコレクションを収集したボルネミッサ男爵は、非常に趣味が良いと言わざるを得ません。(個人の感想です)
個人コレクションだからか、部屋に飾れる手頃なサイズの作品が多かったです。
ドゥッチョ。シエナ派の画家です。祭壇画の一部らしい。
ペトルス・クリストゥス。とても小さな作品です。これ欲しい。
ウェイデンとファン・エイク。大理石っぽい白黒のものを描くのが流行りだったのかしら。
ギルランダイオ。この美術館の目玉っぽい作品です。
これと全く同じ人を、同じ角度で描いたものをベルリンで見たのです。これ誰?!
左はピンぼけになってしまって少し悔しい、ロレンツォロットの自画像。右はクラナッハかと思いきや違う、ハンス・バルドゥングという、デューラーの弟子の作品です。
正面の人物の後ろから、「あ、俺も入る~」みたいな構図が面白くて。
肖像画が多かったです。これ以外にも印象的なものがたくさんありました。
クラナッハによるカール5世。ハプスブルク家は顎を見るとすぐわかります。
聖家族、という題名。天使もいるのだけど、ものすごく庶民的な・・・親子と親戚の記念写真のように見えます。
ドガの踊り子。これもこの美術館の顔、というような作品です。
ニューヨークのガキ大将を描いたもの。
ここから下は生ガキの絵、3作品。まずは生ガキを囲む3人。
生ガキを狙う猫。猫って貝類たべるんですね。
お待ちどう様~、生ガキ!という雰囲気の楽しそうな食卓。
手前の女性のワイングラスの持ち方が気になる。これが正しい持ち方?
スーツの男性肖像画。それぞれ作者が違ったはず。スーツを着ていると一気に現代風になります。
これもスーツの男性、そして犬。
彫刻家のヘンリー・ムーアの作品。
何代目か?のティッセン・ボルネミッサ男爵。1985年の作品です。
素晴らしい美術館でした。大々大満足です。ここでも薄い美術館目録をゲット。お土産ショップも充実してました。
(続く)
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