2018年6月。憧れのシチリア島と大都市パレルモ。ここと近郊の街に残る、世界遺産のアラブ・ノルマン様式建築群を見たくて、2泊3日で行くことにしました。
目次
シチリアに行きたい!
イタリアの中でも人気の観光地、シチリアに行ってみたい。どうせ行くなら夏に行きたい!
そして美味しいシーフードを食べて、リゾートと下町の雰囲気を味わいたい。
・・・と、なんとなくのイメージでシチリア行きたーい、と思っていたわけですが、教会建築を中心とした見どころも多そう。州都パレルモのビザンティン風の黄金モザイクで彩られた教会などが、世界遺産に登録されています。
シチリアの州都パレルモは、ビザンチン(正教)→アラブ(イスラム教)→ノルマン(カトリック)の順に支配された場所。
最後のノルマン王朝時代に建てられた王宮や教会は、ザ・ノルマン様式とはならずに、過去から引き継いだアラブやビザンツの文化を尊重し、混ざり合いながら、魅力的な混淆様式の建築となって現在に残っているのだそう。
ビザンティン教会好きとしても、ビザンツ風の金ぴかのモザイクを多用した教会などは見ておきたいところ。
ということで、世界遺産のアラブ・ノルマン様式建築群、中でもビザンティン風教会を目当てに、パレルモと近郊の街に行くことにしました!
パレルモと近郊の世界遺産:アラブ・ノルマン様式建築群
まずはやっぱり世界遺産のアラブ・ノルマン様式建築群を見てみたい。2015年に世界遺産に登録されたばかりです。
ノルマン王宮とパラティーナ礼拝堂
世界遺産その1、ノルマン王宮と王室礼拝堂(Palazzo Reale・Cappella Palatina)です。
Palazzo Reale - Fondazione Federico Secondo
パラティーナ礼拝堂は王宮の中にある、イスラム風の装飾とビザンティン風モザイクで覆われた豪華な部屋。下の写真だと天井がイスラム風。
Palazzo Reale e Cappella Palatina - UNESCO Arabo-Normanna
サン・ジョバンニ・デッリ・エレミティ教会
Chiesa di San Giovanni degli Eremiti - UNESCO Arabo-Normanna
世界遺産その2。サン・ジョヴァンニ・デッリ・エレミティ教会。(Chiesa di San Giovanni degli Eremiti。)赤いドームが特徴的な教会。中庭が美しいです。
マルトラーナ教会
Chiesa di Santa Maria dell’Ammiraglio (detta chiesa della Martorana)
世界遺産その3です。マルトラーナ教会(Chiesa della Martorana)
と言われますが、正式名称はChiesa di Santa Maria dell’Ammiraglio(サンタ・マリア・デッラッミラリオ教会)というらしい。ルッジェーロ二世、アンミラリオ海軍提督がモザイクで描かれています。
サン・カタルド教会
Chiesa di San Cataldo - UNESCO Arabo-Normanna
世界遺産その4、サン・カタルド教会(Chiesa di San Cataldo)です。ここはその3のマルトラーナ教会と隣り同士で建っています。外見の雰囲気が異なる建物が並んでるのが面白い。
パレルモ大聖堂
Cattedrale di Palermo, la storia
世界遺産その5、パレルモ大聖堂(Cattedrale di Palermo)。時代とともに教会→モスク→教会と変遷してきた大聖堂は、ノルマン風のゴシックとイスラム風の折衷様式が美しいです。
ジーザ宮殿
Palazzo della Zisa - UNESCO Arabo-Normanna
世界遺産その6、ジーザ宮殿(Castello della Zisa)です。ルッジェーロ二世の息子の別邸として、イスラム風に建てられた宮殿。室内の噴水の様子がまさにイスラム的。
アンミラリオ橋
Ponte dell'Ammiraglio - Fondazione Federico Secondo
世界遺産その7です。アンミラリオ橋(Ponte dell’Ammiraglio)。これはノルマン時代の建築技術の高さを示すものとして有名なのだそうです。アーチの先端をとがらせることによって、非常に高い負荷にも耐えられるようになっているのだそう。(上に高く伸びるゴシック建築を発展させるもとになった形です。)
チェファルーの大聖堂とキオストロ
Cattedrale di Cefalù - UNESCO Arabo-Normanna
世界遺産その8はパレルモから電車で1時間のところにある、チェファルーの大聖堂と回廊(Complesso Monumentale di Cefalù)です。ビザンティン風モザイクがきらびやか。
モンレアーレの大聖堂とキオストロ
Cattedrale di Monreale - UNESCO Arabo-Normanna
最後の世界遺産は、パレルモの隣町モンレアーレの大聖堂(Complesso Monumentale di Monreale)です。パラティーナ礼拝堂よりも豪華できらびやか。ここもビザンティン風の黄金モザイクと、イスラム風の装飾の折衷様式です。中庭の回廊も有名。
Cattedrale di Monreale - UNESCO Arabo-Normanna
その他、パレルモとその周辺で気になる観光地
パレルモの街並み、教会、宮殿シリーズです。
クアトロカンティ
プレトーリア広場
クアトロカンティからほど近いところにある広場。これでもか!と彫刻のある噴水が素敵です。
ジェズ教会
The Church of the Gesù (Chiesa del Gesù) - Wonders of Sicily
The Church of the Gesù (Chiesa del Gesù) - Wonders of Sicily
シチリアン・バロックの内装が素晴らしい教会。名前のとおりイエズス会の教会です。
サンタ・マリア・カテーナ教会
Chiesa Santa Maria della Catena | Palermo’s Top Sites
独特のファサードが気になった教会。カテーナとは鎖という意味だそう。伝説では、14世紀末ごろ無実の罪で捕らわれた囚人が聖母マリアに祈ったところ、鎖が外れたことから、このような教会が建てられたのだたとか。
Churches in Sicily - Wonders of Sicily
マクエダ通りの宮殿
マクエダ通り沿いにある、バロックなお屋敷を二つ発見。
まず一つ目、Palazzo Comitini。
http://www.cittametropolitana.pa.it/turismo/tesori_d_arte_a_palermo/00015233_COMITINI_PALACE.html
もう一つがPalazzo Sant'Eliaです。
豪華な内装やマヨルカ焼きタイルの部屋など、見どころが多そうです。
キアラモンテ宮
14世紀に、ノルマン人のキアラモンテ一族により建てられた宮殿です。この一族が没落した後は、スペインの異端審問所として使われたところ。このときに牢獄として使用された部屋の落書きが有名です。ガイドツアーで見学できます。
シチリア州立美術館
MWNF - Museum With No Frontiers
シチリアの美術館。メッシーナの受胎告知と、死の凱旋というフレスコ画が有名です。
シチリア州立考古学博物館
Museo Archeologico Antonino Salinas di Palermo: comunicazione a 5 stelle
かつての修道院だった建物を利用した考古学博物館。シチリアで発掘された神殿遺跡や紀元前の彫刻を展示。中庭の雰囲気が素敵です。
ヴィラ・パラゴニア(Villa Palagonia)
villas of bagheria | Visit Sicily official page
パレルモから15~16キロくらいのところにあるバゲリーアという街にあるお屋敷。18世紀にイギリスで流行したグランド・ツアー(貴族の子供がヨーロッパの歴史を学びにイタリアやフランスに旅行すること)の目的地にもなったそうです。
この街にはほかにもいくつか壮麗な館があるので、館めぐりも面白そう。
ヴィラ・ヴァルグァルネッラ(Villa Valguarnera)
villas of bagheria | Visit Sicily official page
ヴィラ・カトリカ(Villa Cattolica)
Villa Cattolica, sede del ''Museo Renato Guttuso'' | Guida Sicilia
ここは美術館になっているみたいです。
カプチン派修道院のカタコンベ
Death in Sicily - Wonders of Sicily
少女のミイラが有名なカプチン派の修道院。
ざっと挙げただけでもこれだけの見どころ。これらの他にも、バロック装飾の教会なんかでちょっと見てみたいかな、というところまで含めるとすごい数になります。
でも今回も旅行日程は週末+アルファの2泊3日。パレルモ市街地だけではなく、近郊の街にも足を伸ばすことを考えると、とても全部は見切れそうにありません。
そこで今回は世界遺産、中でも特にビザンティン風のモザイク装飾を見ることを主眼に置いて観光することにしました。
そうなると、モンレアーレとチェファルーの大聖堂は絶対に外せません。ということで、行き先はパレルモ、チェファルー、モンレアーレの3カ所です。
パレルモ市内は、世界遺産と行きやすい場所にあるいくつかの美術館や宮殿をめぐることにしました。市内の観光地はこのような感じです。
行き方や詳しい観光ルートは次の記事で。
(続く)
≪パレルモ旅行計画≫
- 半日でたどる、魅惑のパレルモ旧市街と世界遺産の教会めぐり
- 1日モザイク漬け。パレルモのパラティーナ礼拝堂、チェファルーとモンレアーレの大聖堂
- 日曜のパレルモでのんびり美術館を観光
- 食べ物編。美味しかったレストラン、病みつきファストフード、のんびりできるカフェ