ビザンティン教会をじっくり見たくて、ミストラ遺跡へ行きました。
(旅行計画はこちら)
【ミストラとモネンバシア】東ローマ帝国最後の都市の遺跡と天然要塞の半島。ギリシャのペロポネソス半島へ(3泊4日) - 超個人的★ヨーロッパ旅行のHow To
【ミストラとモネンバシア】アテネから行くミストラ遺跡、モネンバシアへの行き方(3泊4日) - 超個人的★ヨーロッパ旅行のHow To
目次
まずはスパルタへ。
アテネの空港からX93のバスで1時間、キフィスウターミナルに来ました。
ここで、事前予約して印刷してきたバスのバウチャーを、チケットに引き換えます。
このバスターミナルはすごく広くて、いろいろな行き先が表示されていますが、「Sparta」という表示はありません。
「Lakonia」というのがスパルタ行きのバスになります。
バスターミナルのカフェでギロピタの昼食。
スパルタ往きのバスは普通の大型バスで、乗り心地は全く問題なし。道路も整備されていて全然揺れません。
途中、トイレ休憩で1か所止まりました。
快適なまま、あっという間にスパルタのバスターミナルに到着しました。
並んでるバスの奥にチケット売り場や売店があります。ここで、翌日のモネンバシア行きのチケットを買いました。このとき、夜19時過ぎです。
スパルタ滞在
スパルタのホテルにチェックインして、受付の親切な女性に、翌日のミストラまでのタクシーの手配をお願いしました。
フロントデスクにあった分厚いパンフレットをもらえました。ミストラやモネンバシアを含む、ペロポネソス半島(正確には、そのうちのラコニア県内)にあるビザンティン教会建築を紹介しているものです。
英語だけど写真が多くて、読み応えがあって嬉しい。いつかこれを参考にマニ地方の教会を回ってみたいなあ。
夜ごはんは繁華街の中の適当なレストランで。
スパルタのビールと、グリルした肉やソーセージとポテトなどがもりだくさんの一皿。すごいボリュームでした。
夜の市庁舎広場。
来ました!ミストラ遺跡
朝8時のオープンに合わせて、タクシーで上の入口まで行きました。車から降りたあと、入口までの道。もうこの場所でかなり高いです。
見えてきました。
チケット売場は小さな窓口です。料金を払って、簡単な地図付きパンフレットをもらいました。
今は11番のUpper Gateにいるから、まずここから12番の城塞(Citadel)を目指し、それから降りてメインゲートを目指して歩くように、とのこと。それから、王宮は今修復中で敷地内に入れません、ということでした。残念。
窓口を後にして、いざ、登山です!
城塞
坂道を登っている途中、修復中という立派な王宮が下の方に見えました。あまりにもきれいに修復されていて、修復というよりリノベーションされてるんじゃないかと不安になります。屋根とか。
見上げたところに城壁。
けっこう急な登りだけあって、見下ろす景色はすごい絶景です。
下の方の入口と、ミトロポリ聖堂が見えました。
頂上・・・?っぽいところ。
どこまで行っても廃墟です。
草がすごくて、行けないところも多いです。教会が見たいのでそろそろ降ります。
アギア・ソフィア聖堂
城塞を降りてきて最初の教会はこちらです!
こっち側は廃墟ですが、裏側に行くと、修復が終わって、きれいになったビザンティン建築が現れます。14世紀の建築で、ロッジア付きです。
さらに別の角度から見た感じ。
内部にはフレスコ画が残ってます。
このフレスコ画は背景に奥行きのある建物が描き込まれてるのがおもしろいと思いました。
アギオス・ニコラオス聖堂
アギア・ソフィア聖堂から少し離れたところにあるアギオス・ニコラオス聖堂。
内部はぼろぼろです。
フレスコ画はちょっと新しそう。新しそうというのは、うーん、ポストビザンティンっぽい印象ということ。素人判断なのでほんとのところはわかりません。
他の角度から。こういうのたまりません。
王宮とその周辺
少し下ったら、さっき城塞から見下ろした王宮が見えてきます。入れないけど、遠目から見れました。
正面です。
その横の建物です。
このような見取り図らしい。
蝶。と、後ろを振り返ったところ。
城塞はあんな高いところにあります。
王宮の周りはそれなりに整備されていたみたいです。
モネンバシア門というのがあるみたい。
雰囲気ある~
パンタナッサ修道院
道路に沿って歩いて行くと見えてくる、綺麗な花。
ここは現役で使われている尼僧院のようで、私服姿の女性が植物の手入れをしていました。
斜面の下の方を向いて建っているので、建物の全体像はここからは撮れません。
だいぶ下ったところから見上げて撮ると、こんな外観です。
ここのパンタナッサ修道院はミストラ遺跡の中で絶対に見るべきもののひとつです。15世紀の建物で、ビザンティン様式でも最末期のフレスコ画が特徴です。
事前に本などで、今までのビザンティン様式にはない立体感や色使い、写実的な絵などが見られるということを読んできました。期待が高まります。
内部です!
圧巻のフレスコ画。
たしかに、背景の描き込みが今までのビザンティン様式にはない感じです。特に建物、正確ではなくても遠近法を使っています。
これもです!
本かネットのどちらかで、衣服の流れるような襞の感じは、これまでのビザンティン様式にはなかった、というような情報を事前に読んできたのですが、実物を見て納得。西側ヨーロッパっぽいです。
下の絵の後ろの建物も遠近感出ています。加えて、これまでのビザンティン様式というのは聖書の登場人物や聖人など、人物が重要で、背景はあくまでおまけっぽい感じのものばかりなのが、ここのフレスコ画は人物だけじゃなく、その空間も含めて絵で表そうとしているところが、新しいです。
ナルテックスの入口の内側部分は、殉教聖人たちの殉教の絵が鮮やかに描かれていました。
皮を剥がれる。
釘を打たれる。
釜でゆでられる。
車裂き。
大満足のパンタナッサ修道院でした。
後陣部のレンガ模様が可愛い。
と、外に出ようとしているところで、年配の修道女の方から手招きを受けて、僧房の一室に案内されました。
どうやらここで刺繍や手編みレースなどを販売しているらしい。
室内には双頭の鷲をかたどったギリシャ正教会の紋章がそこかしこにあります。東ローマ帝国(ビザンツ帝国)の紋章も同じ双頭の鷲だったんですよね。
修道院のフレスコ画などの修復に役立ってもらえれば、と思い、レースと刺繍のテーブルクロスっぽいものを買いました。
最後にお菓子を出してもらいました。もちもちしたゆべしみたいなお菓子です。
甘くて美味しかったです!
修道院を出て、次へ行きます。
ビザンティン時代の家
そう、ここは街だった。ということで家の廃墟がけっこうあるのです。
家、1階部分。
家、2階です。屋根が落ちてしまってます。
二階奥に見えるビール瓶のような形の窪み。煙突の跡かな。
そして2階からの景色。見晴らし良いです。
まだまだミストラ遺跡を堪能中。次の記事に続きます。
(続く)
≪ミストラとモネンバシア旅行計画≫
≪ミストラとモネンバシア旅行記≫