2018年5月。大好きなビザンティン教会をたっぷり見たくて、ギリシャのペロポネソス半島にあるミストラ遺跡と、ついでにモネンバシアに行って来ました。
目次
ビザンティン様式の教会が見たい
ビザンティン様式の教会建築を見るのが好きです。
そこまで大きくなく、こぢんまりとした、均整の取れた建物。レンガの壁、ドームを覆う素焼きの赤茶けた甃。素朴だけどもリズミカルな装飾が飽きません。内部には古びたフレスコ画、たまに今も衰えない、輝くモザイク。そしてそこら中を飾るイコンや聖具。
ビザンティン建築は、その名のとおりかつてのビザンティン帝国(東ローマ帝国)領とその周囲に集中しています。
中でもギリシャは、各地に良い感じの教会が集まっていて、色んな場所でビザンティン教会欲を満たしてくれます。(さらに、物価が安くてごはんが美味しくて、ユーロが使えると良いことだらけ)
今回はペロポネソス半島にある、ビザンティン帝国末期に建てられた教会建築を見に行くことにしました。
東ローマ帝国最後の都市、ミストラ遺跡
http://www.thebyzantinelegacy.com/mystras
ギリシャのペロポネソス半島の真ん中辺り、古代ギリシャ時代に有名だった都市、スパルタの街の近く。
ここに、東ローマ帝国の首都コンスタンティノープルが陥落したあと7年間、滅亡せずに踏ん張った要塞都市、ミストラの遺跡があります。
http://www.thebyzantinelegacy.com/castle-mystras
ミストラは1200年初頭、第四次十字軍のラテン人によってつくられた街です。
14~15世紀の東ローマ帝国末期には、パレオロゴス朝ルネサンスと呼ばれる文芸興隆の中心地となり、哲学、政治、文化の中心として大繁栄しました。
1453年のコンスタンティノープル陥落後は、モレアス専制公国として抵抗していましたが、1460年にオスマン・トルコに降伏。
http://www.thebyzantinelegacy.com/house-mystras
今、ミストラ遺跡は世界遺産に登録されています。遺跡ということでほとんど廃墟みたいですが、いくつかの建物は修復され、今も工事が行われています。
ただの遺跡?いえ、違います。この遺跡の素晴らしいところは、14世紀の後期ビザンティン様式の教会がたくさん残っているところです!
http://www.thebyzantinelegacy.com/churches-mystras
ビザンティン教会好きにとって、美しい教会建築がたくさん見られれば見られるほど嬉しい。それが1か所に固まっていればなお良しです。じっくり時間をかけて眺めたい。
内部装飾も、モザイクはないようですが、後期ビザンティンのフレスコ画などが残っていて、しかもけっこう保存状態が良さそう。
これはかなり期待が高まります。
天然要塞、モネンバシア
Monemvasia Tour - Katakolon to Olympia Tours - Akis Mamousis Tours
モネンバシアはペロポネソス半島南東部にある、細い道でつながった半島です。
この、ぼこっと浮かんだ崖のてっぺんに、すごくいい感じのビザンティン教会があるのです。ミストラ観光の後にこれを見に行くことにしました。
Monemvasia - The Last of Greece's Secrets
教会はもちろん、素敵です。でもその前に、この半島の不思議な形はスルーできません。
インターネット上で検索した写真を見てみると、陸側から見えないところに街がありました。天然の要塞都市と言われるのもわかります。
http://www.thebyzantinelegacy.com/monemvasia
東ローマ帝国滅亡時、オスマン・トルコはここまでは攻略できなかったみたいで、コンスタンティノープル陥落後はしばらくヴェネツィア支配下にあったそうです。(その後16世紀半ばにトルコ支配下に。)
Monemvasia Tour - Katakolon to Olympia Tours - Akis Mamousis Tours
ちなみにモネンバシアという名前、ギリシャ語で「一つの入口」という意味だそうです。(モニ=ひとつの、エンヴァシー=入口)たしかに細い一本の道だけで、本土とつながってます。
これは・・・ただ行ってみるだけで面白そうな街です。
マニ地方(今回は行かないですが)
ペロポネソス半島南西部の沿岸沿いは、マニ地方と言って、良い感じの古いビザンティン教会がぽつぽつ点在しているらしい、魅力的なエリアです。
例えばこんな感じの。・・・すごく良いです!
http://www.maniguide.info/churcharch.html
マニガイド(http://www.maniguide.info/)という個人のHPを見て研究したのですが、小さな教会が点在しているだけで、公共交通機関もほとんど見当たらず、車でないとアクセスが不可。
また、これらの教会は普段閉まっていて、近くの村民に声をかけて鍵をもらわないといけないようです。
これらのハードルの高さから、この旅行で行くのはあきらめました。
ペロポネソス半島の位置関係
ギリシャの首都アテネと、ペロポネソス半島のミストラとモネンバシアの位置はこのような感じ。モネンバシアは拡大するとちゃんと半島になってます。
アテネからの時間を調べたところ、それぞれバスで、こんな感じでした。
アテネからスパルタ:3時間
スパルタからモネンヴァシア:3時間
モネンヴァシアからアテネ:6時間(スパルタ経由)
スパルタからミストラへは、車で10分ほどの距離のようです。
ミストラとモネンヴァシアの観光日程と宿泊地
観光日程
この2か所の観光、そこだけ見るのであれば2日もあれば良さそうです。
ただし、バスでの移動にけっこう時間がかかります。なので全体で3泊4日、ミストラの近くのスパルタに1泊、モネンヴァシアは面白そうなので、雰囲気を楽しむべく2泊、という旅程にしました。
1日目(金)13:35アテネ空港着
スパルタに移動(3時間)
2日目(土)ミストラ遺跡観光
モネンバシアに移動(3時間)
3日目(日)モネンヴァシア観光
4日目(月)アテネに移動(6時間)
16:35アテネ空港発
最終日は14時半に空港にいることと考えると、移動時間も含めた旅行期間は、1日目の13時半から4日目の16時半まで、ほぼ丸3日間です。
宿泊地
ミストラ遺跡手前のミストラの街にも、小さなホテルが何軒かあるようですが、スパルタのバスターミナルに着くのが夜遅くなりそうだったので、ホテルはスパルタ市内中心部にしました。受付の女性がすごく親切で、感じの良いホテルでした。ペロポネソス半島の教会に関するパンフレットを貰えました。
モネンヴァシアはせっかくなので、伝統的な家を使用したB&Bを予約。ここはホテルというものがほんの少ししかありません。こちらのオーナーもすごく親切で、バス停まで車でピックアップしに来てくれたり、帰りの交通手段について有益な情報をくれたりと、良い人でした。
詳しいバスの時刻などは次の記事で。
(続く)
≪ミストラとモネンバシア旅行計画≫
≪ミストラとモネンバシア旅行記≫