2017年10月。ルネッサンス時代に栄えた北イタリアの都市のひとつ、マントヴァ。ルネッサンスの芸術・文化の中心となった宮殿やフレスコ画を見に行くことにしました。
目次
魅惑の北イタリアシリーズ、マントヴァ
北イタリアの諸都市を一つずつ観光しよう、と決めるきっかけになったのは、2014年の雑誌、CREA Traveller。
この中で出てきたマントヴァっていうのはミラノからもヴェネツィアからも2時間の、ちょうど真ん中あたりに位置してます。
この都市がルネッサンスの時代に芸術・文化の中心になったのは、フランチェスコ2世・ゴンザーガとその妻イザベッラ・デステの時代。とくにイザベッラ・デステはその当時の文化の中心となるべく、たくさんの絵画や美術品を集めたり、芸術家を呼び寄せたりと、パトロン活動にいそしんだそう。
残念ながら、集められた美術品は世界各地に散ってしまったようですが、マンテーニャの描いた「結婚の間」や、ジュリオ・ロマーノによるフレスコ画が有名なテ離宮など、マントヴァには今もルネッサンスの芸術が残っています。
マントヴァの見どころ
「マントヴァとサッビオネータ」として世界遺産に登録されている都市、マントヴァ。(サッビオネータはゴンザーガ家のヴェスパシアーノ王子が治めた「理想都市」だそうですが、今回はサッビオネータには行きません。)
ガイドブックなどを参考に、世界遺産マントヴァの見どころをピックアップ。
ドゥカーレ宮殿
The Ducal Palace - Centro Guide Mantova - I Gonzaga
マントヴァ公爵宮殿。
Museo di Palazzo Ducale - www.mantova.com
たくさんの豪華な部屋を見ることができるようです。
サン・ジョルジョ城
Castello di San Giorgio - www.mantova.com
マンテーニャのフレスコ画が有名な「結婚の間」はこの城にあります。
The bridal chamber - Centro Guide Mantova - I Gonzaga
テ離宮
街の中心部から少し離れたところにある、ゴンザーガ家の別荘です。
Te Palace - Centro Guide Mantova - I Gonzaga
サンタンドレア教会
Basilica di Sant'Andrea - www.mantova.com
地下に「キリストの血」が保存されているのだそうです。見たい!!
サン・ロレンツォ聖堂
Rotonda di San Lorenzo - www.mantova.com
マントヴァ最古の教会。11世紀のものだそう。
テアトロ・ビビエ―ナ(学術劇場)
Bibiena theatre - Centro Guide Mantova - I Gonzaga
アントニオ・ビビエーナという人の設計だから、ビビエーナ劇場。18世紀の建築。優美な曲線が美しいです。
ドゥオーモ
Duomo o Basilica di San Pietro - www.mantova.com
マントヴァのドゥオーモ。
アルコ宮
Palazzo d'Arco - www.mantova.com
18世紀末の貴族の館。見学はガイドツアーのみ。ファルコネットによる12宮の間が有名。ロレンツォ・ロットの作品があるらしいのも気になります。
マンテーニャの家
Casa del Mantegna - www.mantova.com
今はギャラリーとして使われています。
ジュリオ・ロマーノの家
http://www.mantova.com/casa-di-giulio-romano/
ジュリオ・ロマーノの設計によるもので、1544年の建築だそう。
マントヴァ公爵夫人イザベッラ・デステを知る
マントヴァに行くから、ということで塩野七生の「ルネッサンスの女たち」を読みました。
マントヴァ公爵であるゴンザーガ家へ嫁いだ、エステ家出身のイザベッラ・デステ(Isabella d'Este)の一生を知ることができます。気の強そうなイザベッラ・デステの一生がとても興味深い。
個人的に印象に残ったエピソードはこれらです。
- 自分のオシャレに自信があった。事実、ドレスの着こなしが話題になり、真似されたりしていた。
- 文化と芸術の中心人物として名を馳せようと、無理を通して美術品をゲットしたり、数々の芸術家を招いたりと熱心に活動。しかし、お抱えの宮廷画家マンテーニャの絵は気に入ってなかった。
- たくさんの芸術家を招くも、大物中の大物、レオナルド・ダ・ヴィンチにはスルーされている。
- 60歳のときに「自分が若いころの」肖像画を描かせる。(ウィーンの美術史美術館で見れます。)
本人は芸術のパトロンみたいな地位で注目されたかったようですが、「コレクターのわくを、彼女はついに超えることがなかった」のだそうです。
彼女が生きていたルネッサンス時代においても、夫が捕虜になっている最中に発揮した政治的手腕など、どちらかというと政治的な立場で有名になった、というようなことが書いてありました。
いずれにしても、気の強そうなこの人の出世欲?名声欲?のおかげで、マントヴァでは今も素晴らしい芸術を見ることができるということだと思われます。
(続く)
≪マントヴァ旅行計画≫